夏、蒸し暑い家の中でかまどに火を入れ調理するのはやっぱり暑くてしんどい(それでも毎日料理してくれる奥さん、ありがとう)。先日大量に手に入れた木炭があるし、最近は外に七輪を置いてうちわでパタパタと火を起こし、煮炊きしてる。アウトドアキッチンと言うと聞こえはいいけど、実際は野外調理場と呼んだ方がイメージに合う。外だから煙は気にならないし、こぼしても掃除の手間がないところがいい。
炭は薪に比べて、長い時間火力が一定で、熾になると煙はほどんど出ない。七輪を二台使うときは、炭の量を調整して、それぞれの料理に適した火加減にする。残った熾は炭壺に入れて、次回使う。炭の良さはなんといっても、遠赤外線効果。焼き魚などするときは、中まで火が入り、ふっくらとして美味しい。
ただ、羽釜でご飯を炊くときなど、高温が必要な調理には、かまどの方が合ってる。
七輪とかまど、使い分けができるだけで料理の幅が広がる。
太陽が山に沈むころ、炭を熾しはじめる。日が隠れると気温が下がり、途端に秋の気配が強くなる。
パチパチの木炭が爆ぜる音に混じって、虫の声が聞こえてくる。秋の虫の鳴き声がだいぶ優勢になってきたことに気づく。そよと吹く風が肌に心地いい。ビールをコップに注いで一口飲む。ああもうビールは少し冷たすぎるなあ、お湯割りがおいしい季節になってきたなあ、なんて思いながら、暮れゆく一日に力が抜ける。