土佐町の絵本「ろいろい」。コロナ禍の数年も挟んで、約5年かけた長期プロジェクトとなりました。
完成した「ろいろい」は、ジャバラ型の少し変わった形をした絵本。ながーいページを伸ばすと、そこには土佐町の実在の風景や文化、人々が描かれています。
表面には春と夏の町。裏面には秋と冬。
15回に渡る記事で、絵本「ろいろい」を1ページずつ解説していきます。
ろいろい ろいろい
ちょうちんのもと おどってわらう きょうは なつまつり
どーん どーん そらをみあげる
あのひとも このひとも ここにいる
「ただいま」
「おふろ わいちゅうよ」
じんわり ぬくぬく あたたまる
ろいろい ろいろい
土佐町の春・夏、最後のページ
ろいろいとやって来たのは、夏のお祭り。このページは森地区の野中祭がモデルになっています。
盆踊り・花火・奉納相撲。右上斜面にあるのは鏡峰寺の鐘でしょうか。
↓「土佐町ポストカードプロジェクト」にも鏡峰寺の鐘は登場しています。
毎日朝7時と夕方18時、ゴーンゴーンと森地区に鳴り響き、時を告げてくれます。
「あのひとも このひとも ここにいる」
みんなで笑って輪になって踊る。このシーンは「キネマ土佐町」でも繰り返し出てきます。
相撲も花火も登場します。
五右衛門風呂
汗ばむような暑気の中。みんなで踊って家に帰ればそこには暖かいお風呂が沸いています。
どうやらこのお風呂はまき風呂ですが、あれ、火の番はなにか不思議なことになっていますね。
朝からずっとついて来てくれた龍と、、、一緒にお風呂に入っているエンコウ!
一日、町をろいろいした3人、きっと夜はぐっすりでしょうね。
↓地蔵寺ふれあいキャンプ場には五右衛門風呂が。
地蔵寺地区の方たちが作った手作りのお風呂で、焚き口の横には薪が積んであります。
自宅のお風呂が薪風呂の家も多い土佐町。夕方になると、家々の煙突から煙が立ち上る風景も見られます。
↓お風呂を炊く係だったというお話「お風呂たき」
土佐町では、薪のある生活が今も営まれています。お風呂をはじめ、山菜やタケノコ、こんにゃく芋をゆがいたりと大活躍。餅つきする時にも、かまどに火を入れ、もち米を蒸したりします。特別なことではなく、日常。その日常がどんなにゆたかなことであるか。
身近だった火の存在が、いつの間にかどこか遠くに感じられる現代。ボタン一つでお湯が沸くのも確かに便利です。が、火の灯りをじっと見つめていると、なんとも言えない安らぎを感じることも事実です。
春、夏の土佐町のページは、これでおしまい。次は秋、冬のページをご紹介します!