「元気?世界の子どもたちへ」 長倉洋海 朝日新聞出版
本年の映画初めに「鉛筆を銃 長倉洋海の眩(め)」(河邑厚徳/監督)を鑑賞しました。写真家を志したきっかけや、写真家として何を目指すのか思い悩んだ日々、そんな中で出会った人たちへの想いや現在に至るまでの交流などが丁寧に描かれており、その真摯な生き方を知って、ますます長倉ファンになりました。
1980年より世界の紛争地や辺境の地を取材したくさんの作品を発表している長倉さんですが、なかでも『いのる』『はたらく』『まなぶ』(いずれもアリス館)など、子どもを主人公とした写真を撮らせたら長倉さんにかなう人はいないのではないか?と思わせるくらい、本物のこどもの表情を捉えていらっしゃいます。
本書は、2021年4月から2年間にわたり「朝日小学生新聞」に連載されたものを「自然の中で」「あそぶ・まなぶ」「夢に向かって」「いっしょに」の4つに再編集されたものですが、写真はもちろんのこと、子どもたちとの出会いや思い出を綴られた長倉さんの文章も素晴らしく、何度でも読み返したくなる写真集でした。