僕が知らないだけでもっといろいろなことをしているはず。
つまり山の人。
たいていのものは自分で作り、自分で育て、自分で生きる。
山の人は山の掌の上で生きる術を知っている。
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土佐町の現在の人口です。(2017年6月末時点・土佐町公式サイトによる)
注:土佐町の総人口が3,997人(2017年4月末時点)から4,001人(6月末時点)に増加したことに伴い、当プロジェクト名も「4,001プロジェクト」に変更になりました。
“4,001プロジェクト”は土佐町に住む人々を、全員もれなく、写真家の石川拓也が撮影する計画。
念のため書いておくと、「全員もれなく」…あくまで目標です。
土佐町の人口の増減によって、タイトルもたまに変わります。 (敬称略・撮れたときに不定期更新)
みなさまいかがお過ごしでしょうか?
長い夏もようやく終わり、肌寒い季節となってきました。
2016年の「秋篇」から始まった土佐町の動画「キネマ土佐町」の最終篇、「夏」がこの度完成しました。
つきましては上映会を、1月30日(火)午後6:30より、土佐町中村集会所で開催いたします。
みなさまお誘い合わせの上、ぜひご参加くださいませ。
参加費:無料 (どなたでも参加できます。小さいお子様連れ歓迎です)
場所:中村集会所 〒781-3401 高知県土佐郡土佐町土居353
お問い合わせ:0887-82-0480 (担当:和田) info@tosacho.com
キネマ土佐町「秋」「冬」「春」はこちらからご覧ください。
ひと言で言うと、一種の版画の技法です。
木材やアルミの枠にメッシュ(シルク)を貼り、感光乳剤(紫外線に当たると固まる薬剤・写真のフィルムにも使用される)を塗ったうえで感光させることで版を作ります。
往年のガリ版のようなもの、と言えばわかりやすいでしょうか。
もともと商業印刷の技法として使われていましたが、1930年代あたりから芸術作品に取り入れられ、60年代には時代を象徴する多くの作品がシルクスクリーンで作られました。
シルクスクリーンを好んで使っていた芸術家として、アンディー・ウォーホル、ロバート・ラウシェンバーグ、ロイ・リキテンスタインや横尾忠則が挙げられます。
どこかで目にしたことのあるアンディー・ウォーホルのマリリン・モンローもシルクスクリーンで作られています
実際に作業を行うウォーホル
横尾忠則 「腰巻お仙」劇団状況劇場 1966年 シルクスクリーン
ふう。前置きが長くなりました。ここからが土佐町の話。
始まりは夏の前に「とさちょうものがたりポロシャツ」を作ったことでした。
このときは県外のオリジナルTシャツ屋さんで作ってもらったのですが、届いたポロシャツを手にしてふと疑問が湧き起こりました。
これ自分たちの手で作れないやろうか?
多くの場合、こういったポロシャツやTシャツはシルクスクリーンで作られています。多くのTシャツ屋さんは切磋琢磨して高い質を維持しているのですが、いちど依頼した際に作成した版は、たいてい1年間新たな発注をしないと廃棄されてしまう。これでは自由度が低い。
土佐町では各地域や役場周りでお揃いのTシャツを作ることは珍しい話ではないのですが、たいてい県外のお店に発注しています。すなわち、お金が町外県外へ逃げてしまう。
これを町でやれるようになれば、とても小さな規模とはいえ、
①町内でお金が循環する。
Tシャツやポロシャツだけでなく、布類や木材など(平面ならほぼなんでも)に印刷できるようになるので、
②ものづくりの自由度が飛躍的に高まる。
③なにより楽しい!
これまで特に説明をしてきたわけではないのですが、「とさちょうものがたり」は“生活に必要なものを自分たちの手で作る” “衣食住を可能な範囲で自分たちの手に取り戻す”というテーマを通奏低音のように持っています。“大企業的価値観や経済至上主義から2、3歩離れてみる”と言い換えてもいいかもしれません。
それを日々実践している人が多いこと、実践しやすい環境があること、それが土佐町の魅力の大きな要素であると考えています(実践している人たちは昔から当たり前のようにやっていることなので気づきにくいかもしれませんが)。
ですからその通奏低音を土台に “土佐町の魅力を発信する” という中高音が自然と鳴り響く(ようにしたいと思っています)。
というわけで「とさちょうものづくりシルクスクリーン」始めました。「冷やし中華始めました」みたいですね。2017年、夏の終わりのことです。
とさちょうものがたりから新年のご挨拶をお届けします。
当ウェブサイト「とさちょうものがたり」は2017年6月にスタートしました。
ちょうど6ヶ月が経ったことになります。
旧年中には土佐町内外から多くの読者のみなさまに訪れていただき、また暖かな励ましや手助けもたくさんいただきました。改めて熱く温冷…じゃなかった、厚く御礼申し上げます。
先にも書いたように、とさちょうものがたりは生後わずか6ヶ月のメディアです。
まだよちよち歩きの赤ん坊のような状態ですが、とさちょうものがたりが伝えていきたいこと(=私たちが感じる土佐町という場所の魅力)は日を追うごとにはっきりとした輪郭を伴ってきている感覚があります。
上の写真は土佐町のとある農家さんのお庭で撮影したものです。
そこに流れるのは天然の山水。ですので24時間流しっぱなしです。
溜まりにはいつでもきれいな水があふれ、畑で採れた季節の野菜がプカプカと浮いています。私たちが訪れるときには「お昼はこれ食べよう」と溜まりから野菜を持ってきて台所で料理をして、美味しい昼食をご馳走になったりします。
とさちょうものがたりを通して、私たちが伝えたいことの一端がここにあります。
長い年月を経て先人が作り上げ、磨き、現在に至るまでこの地の人々が守ってきた美しさ。慎ましさを忘れない人間の暮らしが、自然の掌の中に優しく包まれているような感覚。
ここには言葉や写真ではなかなか伝わりにくい美しさがあります。
ふわふわもやもやとして、なかなか捉えどころがなく、「美しい」としか言いようがないもの。
とさちょうものがたりはこの伝えにくい「美しさ」を、できるだけそのままの形でみなさまのところへお届けしたいと思い日々発信しているメディアです。
時には上手に伝わったり、逆に伝わらなかったり、いろいろなことが今年も起こる予感はもうすでにありますが、昨年に引き続き、みなさま楽しくお付き合いいただければ幸いに思います。
2018年元旦
↓この記事でも紹介しましたが、
10/21に平石小学校で開催された「西村ユウキ 土佐町LIVE」のライブCDが完成しました。
ライブで演奏した12曲全てが収録されています。
内容は以下の通り。
1 デート
2 One day in the morning
3 サンダーロード
4 初秋の日
5 秋桜
6 そら
7 春風〜Clap your hands〜
8 誕生日
9 釧路本線
10 Bright Light
11 100年公園
12 土佐町のうた
手の出演:谷泰久
1,000円で販売中です!
現在、とさちょうものがたりは店舗を持っていませんので、購入していただける方は町中で石川または鳥山を捕まえていただくか、もしくはお手数ですがinfo@tosacho.comまでご連絡ください!
名高山 | 山下いろは
上地蔵寺 | 上田英奈
年に5回発行される土佐町の広報。
年末の一号ができました。もうみなさんの手元には届いている頃かもしれません。
写真は表紙・裏表紙とも「土佐町ポストカードプロジェクト」で撮影したものです。
名高山は土佐町の真ん中あたりにそびえる山。山頂付近まで棚田があることに驚きました。
上地蔵寺は土佐町の南にある集落。すごい風景を見ながら稲を育ててますね。
撮影に付き合ってくれたいろはちゃん、英奈ちゃん、ありがとうございました^^
別の記事でも触れましたが、土佐町のフリーペーパー
を創刊しました。創刊号は「下田昌克、土佐町を描く。」です。
去る10月、土佐町を訪れた絵描きの下田昌克さんが描いた、土佐町の人々と風景の絵をふんだんに掲載しています。
下田昌克さんの独特な視点から描かれた土佐町の魅力を、濃縮されたそのままの形で町内外に広くお届けしたいと思っています。
ZINE(ジン)
「magazine」(雑誌)が語源とされる。リトルプレスとも呼ばれる少部数オリジナル出版。流通や企業規模などに左右されず表現できる手段として1960年代に米国で生まれ、90年代に西海岸を中心に広まる。国内でもZINEを発表・販売するイベントやZINE専門の書店などが出現し、関心を持つ人が広がっている。
今回、このように雑誌という形態で発行することは「とさちょうものがたり」にとってとても大切な意味があります。
ひとつは、ウェブが届きにくい人や地域にも、価値ある(と思える)ことがらを伝えていきたいということ。
土佐町という場所では、過疎化、特に山間部や小さな集落での過疎化と高年齢化が著しい。これは統計やデータではなく、ここに暮らす多くの人が身体で受け止めている実感です。
現時点において、高年齢化が進むということはすなわちウェブへのアクセスを持たない人がたくさんいるということと同義語なのです。とさちょうものがたりは、そういった方々にも、(私たちが今立っている)土佐町の新しい魅力を届けていきたいと考えています。(ということをウェブで書いているという矛盾はひとまず置いておいて)
もうひとつは、町で起こった素敵なできごとを、形にして残しておきたいということ。
ともすれば膨大な情報の大波に飲み込まれがちなこの時代において、形にしておかなければたやすく流れていってしまうものごとを、できるだけ丁寧に心を尽くして残しておきたいと考えています。
今回の下田昌克さんの1週間に関しては、みつば保育園や土佐町小学校のたくさんの子どもたちが関わってくれました。たとえば10年後20年後、彼らが大きくなった時に、本棚からこの本を手に取って、2017年10月のあの瞬間に戻れるポイントを作っておきたい。またそれがこういったイベントを開催する大きな意味でもあると思っています。
そしてこれまた大切なことですが、これは「とさちょうものがたり ZINE」の創刊号です。
現在のところは不定期発行とさせていただいていますが、2号、3号と続いていきます。
こちらもお楽しみに!
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