土佐町早明浦ダムのほとり、上津川地区で暮らす高橋通世さん。猟師であり山師であり、山暮らしの達人です。敷地内には季節ごとの花が咲き、いつも楽しげに最近の出来事を話してくれます。
4月にワラビを収穫させてもらった時に「5月の終わりにはエンドウがなるき、また取りにきたらえいよ」と言ってくれていました。
そろそろ連絡がある頃だろうかと思っていた6月初旬、通世さんは電話をかけてきてくれました。
「エンドウ、取りにきいや」
張り切って上津川へ向かいました。
なんと、想像を超える一面のエンドウ畑!これは気合いが入りました。
エンドウとつるが繋がっているところに親指と人差し指を重ね、親指に、きゅ、と力を入れて採るといいとのこと。
おしゃべりをしながら収穫すること1時間、こんなに取れました!ずっしり、なかなかの重量。「さ、帰って(さやを)はごうか!」
ここは標高600メートル。気持ちの良い風が吹いていました。
道の途中には、山水が流れ出ています。谷から引いている山の水は、絶えることがありません。なんてゆたかなのでしょう。冷たくて甘い水をゴクゴク飲むと体がシャキッとします。
山イチゴも見つけました。イチゴのつぶつぶの中に、時々「あり」が隠れているので注意!
甘酸っぱくて美味しいです。たくさん集めてジャムにしたい。
座る場所を用意して、さやをはぎます。
時々コロコロ飛び出していく豆たち。井戸端会議をしながら、忘れずに手もせっせと動かします。
一つのさやに行儀よく、くっついて収まっている豆たち。どうしていつも、こんなにきれいに並んでいるのでしょう。
この一粒ずつがまた来年の種になるのですから、自然は不思議で偉大です。
収穫したエンドウはまず、豆ごはんにしていただきました。ホクホクしていてとても美味しい!
普通に水加減をして、お酒と塩、豆を冷凍のまま加えて炊くだけです。
他にも、煮物に一緒に入れたり、ちょっと緑色がほしいなという時に重宝します。
この季節しか収穫できないエンドウは、さやから出してジップロックなどに入れてそのまま冷凍しておくことができます。
きっと通世さんは、また次の季節の仕事の準備をしていることでしょう。
あの山に通世さんがいると思うだけで、何だか励まされるような、元気が出てくるような気がするのです。