「どんなかんじかなあ」 中山千夏文,和田誠絵 自由国民社
以前勤めていた高知こどもの図書館では「世界のバリアフリー絵本展」を開催していました。
これは世界各国で出版された「バリフリー絵本:障害があるなしに関わらずだれもが楽しめるように工夫されている本」を実際に見て、触って、読むことができる毎回好評を博した企画展でした。 その関連企画として、国内で出版されているバリフリー絵本を調べて可能な本は購入し、展示していました。そこで出会ったのがこの『どんなかんじかなあ』です。
小学生くらいの気のよさそうな男の子アップの表紙は何か楽しそうな雰囲気を醸し出していて『バリアフリー絵本』というお堅いイメージは感じられません。 男の子は目が見えない友だちがいて「どんなかんじかなあ」と目をつぶってみると、今まで聞き逃していたいろんな音に気がつきます。それで「目がみえないってすごいなあ」と感心します。
耳の聞こえないお友だちはどんなかんじだろうと耳栓をして過ごしてみるといろんなものがたくさん見えてきます。「きこえないって、すごいんだね」とまた感心します。 最後のエピソードにたどりついたとき、ドキッと心臓が跳ね上がり「ああ、そうだったの」と…。
機会があるごとに紹介してきた、そしてこれからも紹介していきたい一冊です。
古川佳代子