薪ストーブと並び、冬に欠かせないアイテム、豆炭。
寒い時期、僕らはこれなしでは、もはや一日だって生き延びられやしない。
豆炭は石炭を固めたもので、丸みを帯びた豆型をしてる。大きさはゴルフボールくらい。かまどや薪ストーブの火で着火し、専用容器に入れて使用する。一番ポピュラーなのは、豆炭あんかだろう。布団に忍ばせておけば、ポカポカで寝ることができるし、翌日も温かなので、寒い朝も布団から出やすい。お腹や背中に入れておけば、ホッカイロとしても活躍する(動きにくいけど)。
それから、うちには豆炭こたつがある。数年前友人から譲り受けたもので、外見は電気こたつと一緒だが、発熱部分に豆炭を最大四つ入れられる。足を入れると電気とは違った温かさがじんわりと体を温めてくれる。ただし、燃焼中は一酸化酸素が発生するので、注意が必要だ。
米麹を作るときは、こたつが麹室になる。
晒し布で包んだ米を麹葢に入れ、こたつで温める。数時間ごとに切り返して温度を調整していくが、こたつを開ける度に麹の良い匂いがして、幸せな気持ちになる。三日後に麹が完成するが、この間は夜もこたつが温かいので、ついつい夜更かしをしてしまう。
豆炭は微量ながら重金属を含んでいるらしいので、灰は一般ゴミとして処理している。
いまや豆炭を使っている家庭は珍しいと思う。でも、ホームセンターでも取り扱っているからそこそこの需要があるのだろうか。12キロ袋で千円台。僕らの使い方で、ひと袋あれば冬を越せる。