「プロイセン王家 12の物語」 中野京子 光文社
現在のドイツの成り立ちを名画と共に辿っていく比較的肩の力を抜いて読める歴史物です。
「ハプスブルグ」や「ブルボン」という王家の名前は耳にすることも多いけれども、この本の扱う「ホーエンツォレルン家」というのは馴染みが薄い。このホーエンツォレルン家が巧みに世界史を渡り歩き、今のドイツの礎を築いてきた様子をその時々の主たる人物の絵画を紹介しつつ読み解いていく。
「兵隊王」「不定詞王」「ひらめ」などあだ名も紹介、親近感のもてる内容となっている。
ヨーロッパ(含ロシア)各国の王家が日本の戦国時代そのもの、姻戚関係により結びつきあっていて、政治的に微妙な位置関係にあることも納得した。
領土拡大という野望は、多大なる犠牲のもと誰の益となるのか?
過去からの教訓は人類の大切な根幹ではないかと思います。