今ほど冷暖房が充実していなかった子供時代の防寒対策の一部です。
強力な味方は、何と言っても太陽です。日差しを求め、大して広くもない家の中をウロウロ…。まるで大きな猫です。
光が淡い色となり、やがて消滅し、夕食の準備時刻になると、当時は薪で沸かす五右衛門風呂だったので、勝手口の中にあるお風呂の焚口近辺。七輪に炭がいこっていれば(炭に火がうつって盛んに燃えている様)、そこは最高の居場所。
中学生となり、中間・期末という毎日テストばかりの理不尽な事態に直面し、いやでも教科書とにらめっこをしなくてはならなくなった時、夕方の暖の空白はかなり厳しい…。
ある日、教科書と向き合い外を眺めていると、とっておきの居場所が視界に飛び込んできた。
大工仕事が趣味で、一日中いそしく(まめまめしく)動いている祖父が、一斗缶を利用して盛大な焚火をしているのです。少しくらい暗くなろうがそのメラメラと燃え盛る炎の誘惑には屈しがたい!その日から試験期間中の私の居場所は「おじいちゃんの焚き火」の側。
果たしてその立ち上る炎が成績に貢献したかどうかは不明ですが、あのオレンジ色の炎の記憶は鮮明です。