これまでの寒さがうそのように気温が上がった土曜日。
風はまだ冷たいけれど、子どもたちを散歩に誘った。
上の二人はそれぞれ小学校と保育園に通っているため、日中に兄弟三人揃って遊ぶ時間が以前よりだいぶ減った。成長するにつれて、こんな機会はもっと少なくなるかもしれない。そんな思いもあった。
家で退屈していた子どもたちは、二つ返事で外に出た。
歩きながら、枝を見つければチャンバラ、落ち葉を集めれば即席のレストランがオープンする。
この散歩自体が道草みたいなものだから、特に目的地もなく、あっちへふらふらこっちへふらふら。
そのうちお姉ちゃんが陽だまりを見つけて、地べたにゴロンと転がった。それを見た弟たちも、ゴロンゴロン。
服や髪の毛が汚れるのなんてお構いなしに、楽しそうにじゃれ合ってる。
親としては、自然満載のこの環境に、植物を詳しく観察したり、虫の名前や生態に少しは興味を持ってくれないかなあと願わなくもない。けれど、兄弟揃って道に寝そべって、日向ぼっこするのも、全然悪くない。
僕は春を感じる日差しの中で眠気を感じながら、今日一緒に歩けて良かったなと思う。