「手づくりのすすめ」 自然食通信編集部 自然食通信社
版画の絵と手書きの文字で、豆腐や醤油、お麩、こんにゃくなどの作り方が掲載されています。数年前、柿酢と麹を作った際にはこの本に大変お世話になりました。
最も気になっているのは「水あめ」。さつまいもと乾燥麦芽で作るそうですが、いつか挑戦したいと思っています。(ページを開くだけで作った気になってしまうのが不思議です。)
私がこの本が好きなのは作った人たちの愛情と熱を感じるからです。あとがきに「生産の場と生活の場が切り離され、身近な物の成り立ちさえ見えなくなった都会の中で、都市育ちの私が、単なる知識でない、存在感を持った生活の知恵と出会えたこの取材。それは一面、二人の子の母としての実力を養う得難い場でもありました。」という編集者の方の一文があり、とても共感します。
1987年に出版された本を2006年に新装改訂したものがこの本で、その間19年間。改訂版あとがきには「初版当初からすると私たちの暮らしは、なんと遠いところに来てしまったのか」と書かれています。この時から14年後、2020年の今、私たちの暮らしはどんな風に変化しているのでしょう。
土佐町には、生産と生活の場が共にある環境が今もまだ残っています。その環境があるからこそ培われて来たお母さんたちの知恵も、あちこちに存在しています。町のお母さんたちの家を訪ねて学び、次の世代に残していきたいと思っています。
鳥山百合子