「太陽と月」 青木恵都訳 タムラ堂
南インドのターラー・ブックスが2016年に出版した「Sun and Moon」の日本語版。
この本の紙は布でできている。木綿の端切れと水を一緒に細かく砕いて撹拌、それを漉いて紙にしている。
そして職人さんが「シルクスクリーン」で一枚一枚手で刷り、製本も全て手作業。
ターラー・ブックスの人たちのやってきたこと、この一冊の本から伝わってくることは、なんだか言葉にできなくて、ちょっと溢れそうになっている。
本の裏表紙にはエディションナンバーが書かれている。
私の本は「1964 of 2000」。世界で一冊の手作りの本。
先日長女が「この本、とてもきれい。なんだかずっと見ちゃうね。」と言った。
「なんだか、いい匂いがするね。」
「それはインドの匂いなんやって。」
インドに何度も行っている人からそう聞いたことがあったから伝えると、へえーという顔をして何度もページをめくっては戻り、めくっては戻りしていた。
インド。行ってみたい。行きたい。
『太陽は 生命をもたらし 月は 時をきざむ。』
鳥山百合子