「ふしぎの国のバード」 佐々木大河 KADOKAWA
友人に勧められて手に取った「ふしぎの国のバード」、今発売されている5巻まで一気に読みました。
イザベラ・バードは、イギリスの女性冒険家。1831年に来日し、通訳の伊藤鶴吉と共に横浜から日光、新潟、北海道へ至る旅をした実在の人物です。
消えていく日本の文化や風習をイギリス人の視点から記した本があるとのこと、今度読んでみたいと思っています。
笠を被り、蓑を着て馬に乗り、虫や蜂、蛇と格闘しながら道を進むバード。
汗だくになりながら人力車を弾き続けた「ヤへーさん」に薬を手渡そうとしますが、ヤへーさんは受け取れないと断ります。
その時にバードは言いました。
「あなたにはわからないでしょう
人力車から降りる時、さしのべてくれた手が
目隠しのかわりにと言って吊るしてくれた蚊帳が
あなたのくれた小さな木苺が
私をどれほど励ましてくれたか
その優しさに私がどれほど感謝しているか」
毎日のなかにある、一見ささやかなちいさな出来事に私も支えられて生きている。そのことをあらためて思い出させてくれました。