「10才のとき」 高橋幸子聞き手, 西村繁男絵 福音館書店
昨年土佐町に来てくれた西村繁男さんにプレゼントしていただいた一冊「10才のとき」。
日本各地に住む人を訪ね、その人が10才だったときのお話を聞いていきます。
その人の年齢は様々で87才、26才、45才、66才…。当時は学童疎開中だったり、ベーブルースが日本に来たり、スズメやモグラをとったりイタドリで水車を作ったり…。
あたりまえのようなことですが、それぞれの人がそれぞれの場所で「10才」というその時を生きていた、ということにはっとさせられます。
私の知っている、あの人も、あの人も、この人も、かつては子どもだった、10才だったときがあったのです。
その時はまだお互いに知らなかったけれど、「ご縁」という糸やいろんな出来事がからみあいながら、自分の知らないうちに知らないところでそっとその人とつながっていた。だから出会えたんだなあと思うと、その人と出会えたことはものすごい奇跡だ!と思うのです。
みんなみんなが、奇跡の存在。まちがいないです。
鳥山百合子