「いもさいばん」 きむらゆういち文, たじまゆきひこ絵 講談社
約3年前に出版されたこの本は、高知県香美市の小松さんという女性の詩を元に作られました。高知新聞に掲載されたその記事を見て、高知市にある星ヶ丘アートビレッジで開かれていた「いもさいばん」の展覧会へ行って買い求めた本です。
丹精込めて育てたいもを誰かが盗んだと、おじいさんは罠を仕掛けたり見張ったり。ある日、うりぼうがいもをせっせと運んでいるのを発見。
「わしの畑のいもじゃ!」と言うじいさんに
「わしの畑?そんなこと誰が決めたの?」
「この地面も山も川も空も、人間だけのもんじゃねえ。」
「雨降って太陽浴びて育ったはずや。雨や太陽も人間が作ったって言うのけ?」「人間が畑なんか作ってひとりじめするのが間違ってる」と動物たちも負けてはいません。
でも、たぬきが叫びます。
「でも、僕は、このじいさんがすごく頑張ってたのをずっと見てた。畑を耕したり、水をやったり。だからこんなに立派なおいもができたんじゃないか」
さて、どろぼうは人間か、動物か?
うーーーん、とみんな考え込む。
それでお話は終わり。
土佐町小学校でのお話ボランティアでこの本を読んだことがあります。どの学年の子どもたちも、うーーーん、という顔になるのが面白い。
私もその答え、まだわかりません。
鳥山百合子