2018年5月28日、高知新聞にとさちょうものがたりの取り組みが掲載されました。
高知新聞嶺北支局の森本敦士さんが書いてくれました。ありがとうございます。
この記事は高知県だけではなく愛媛・香川・徳島、四国4県の新聞にも掲載されました。
どんぐりとの取り組みが多くの人に伝わっていくといいなと思っています。
この記事を読んで、どんぐりのメンバーさんもとても喜んでいたとのこと。
これからも小さな一歩を積み重ねていきたいと思います。
【地域を創る 四国を拓く 四社連載企画】
町の魅力を再発見 とさちょうものがたり(土佐町)
「あなたの町はどんな所?」と問われたらなんと答えますかー。
豊かな自然、人のぬくもり…。土佐郡土佐町のプロジェクト「とさちょうものがたり」が伝えようとするのは、一言では言い表せない町の魅力だ。それを映像や文章、デザインなどあらゆる手法を用いて、町内外に発信している。
仕掛け人は、まちが2016年に地域おこし協力隊として雇用した写真家の石川拓也さん(43)=千葉県出身。世界を旅し、雑誌や広告の世界で活躍していたが、「自分の見たい世界がここにある」と、人口約4千人の土佐町に移住した。
石川さんは「田舎には何もないと住民は言う。だけど、東京都は違う価値観があり、それからそれが大事になってくる。まず住民に自分の町を再発見してもらいたい」とし、「とさちょうものがたり」を始めた。自身や住民が書いた様々な町の記事をウェブサイトで発信する。
町内の美しい景観を撮影し、ポストカードや動画「キネマ土佐町」として公開。全町民の写真を載せようという「4001プロジェクト」も継続中だ。
住民が寄せた記事も味がある。1950年代生まれの執筆者によるリレーコラム、母が受け継いで来た料理の作り方、古い写真にまつわる人の記憶、好きな本の紹介ーなど、読み進めると土佐町民の暮らしの息遣いが感じ取れる。
活動はウェブサイト上にとどまらない。国内外で活躍する画家や歌手を招いたイベントを開催。町の魅力が彼らを通してロゴや絵、歌などに形を変え、町に残っている。谷川俊太郎さんの絵本の挿絵などを担当した下田昌克さん(50)=東京都=の来町は、新たな事業創出につながった。
下田さんの絵をプリントした服などをイベントで販売したところ好評で事業化することに。今年4月から町内の障がい者就労支援事業所「れいほくの里どんぐり」にプリント業務を委託し、絵と町のロゴが入った衣類の受注生産を始めた。
作業する利用者の反応も上々で、事業所管理者の上田浩子さん(40)は「(利用者の)工賃アップになり、職員以外の人とも関わることができる。協力して事業を大きくしていけたら」と期待を寄せる。
石川さんは「自分たちが面白がって、町の人が喜んでもらえることをやりたい。(町の魅力のような)輪郭のないものは、小さな話を集めると見えてくる」と話す。土佐町の物語を紡いでいくプロジェクト。今後、ストーリーがどう展開していくか、まだ誰も知らない。
(嶺北支局・森本敦士)
メモ:
「とさちょうものがたり」は2017年6月にウェブサイト(https://tosacho.com/)を開設。記事をほぼ毎日掲載している。今年4月から編集部の母体として任意団体「風」を立ち上げ、土佐町から委託を受けている。衣類プリントの注文はウェブサイトか、町役場総務企画課(0887-82-0480)へ。