分類ビャクダン科ヤドリギ属 半寄生の常緑小低木(※はんきせいしょくぶつ)
分布日本・朝鮮半島・中国に分布 日本では沖縄を除く各地に生育する
概要花期は2月~3月
撮影土佐町及び本山町/2023年2月
冬になると鳥の巣のような大きな塊が目立つ木を見掛けたことはありませんか。これがヤドリギです。
枝が規則的に分岐して広がることからまん丸に近い樹形になります。エノキ(榎)、ケヤキ(欅)、サクラ(桜)などの冬に葉っぱを落とす落葉樹に寄生します。
土佐町土居の川辺のエノキの樹上で生活しているヤドリギは、今いっぱい実をつけています。
ヤドリギは、漢字で「宿り木」あるいは「寄生木」と書きます。木の上を宿のようにして生活することからついた名前です。
寄生という言葉はイメージ的にあまり良くないかもしれませんが、他の樹木から一方的に養分や水を奪っている訳ではありません。常緑の葉で自らも光合成を行います。宿主を枯死させてしまう様な手荒なことはしないそうです。
ヤドリギはプロペラ状の葉っぱと半透明の果実にも魅力があります。
果実は径6~8㎜の球形で、薄い黄色。冬の陽光に輝くととてもきれいですが、高木の幹や枝で繁茂することが多いため肉眼で見る機会はなかなかありません。
クリスマスの飾りなどで目にする白い実のヤドリギはヨーロッパが原産の外来種です。
ヤドリギは雌雄異株です。土佐町境の常盤橋北側の小山でサクラの枝に着いているヤドリギがどうやら雄株のようです。国道からよく見える位置にあり、今年も近くまで行って写真を撮り確かめてみましたが果実は見えません。
本山町寺家には鮮やかな橙色の実をつけるアカミヤドリギがあります。宿主はエノキの大木で赤実と黄実が30~40株ほど同居しています。遠目に見るその立ち姿は異様というか壮観というか、とにかく不思議な面白さがあります。機会があれば汗見川に架かる「じけはし」から北の方を覗いてみてください。
※半寄生植物(はんきせいしょくぶつ):自らも光合成によって栄養を摂りながら、ミネラルなどの補給を宿主に依存する植物