2024年9月

笹のいえ

笹の夏休み2024

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笹のいえの暮らしを体験する宿泊イベント「笹の夏休み」が無事終了した。コロナで休んでいた年もあったが、それ以外は毎年続けてきた。今年は二回、四泊と三泊の回を催行し、計14名プラスうちの子たちの参加となった。

笹に来てくれた子どもたち、サポートしてくださった保護者の皆様にたくさんの感謝を申し上げます。

イベントの核となる「自分たちで決める」という約束は、子どもたちの自主性を育む大切な要素だ。スケジュールや食事メニューを自分たちで決め行動することで、自主性や協調性が育つと考えている。

かまどでの調理や五右衛門風呂の準備など、普段の生活では体験できない「むかし暮らし」は、子どもたちにとって新鮮な刺激となったと思う。

食を通じて「身土不二」や「一物全体」「もったいない」の考え方に触れ、自然に寄り添う暮らしを体験する。これらの経験は、食の大切さや環境への意識を育むきっかけとなるだろう。

僕自身、このイベントを通じて多くのことを学んできた。当初は参加した全ての子どもへ均等に体験をさせようとしていたが、今では個々の個性や興味を尊重し、得意不得意を見定めて見守ることの大切さを実感している。

さて今夏、特に印象的だったのは長女の成長だった。これまで参加者のひとりとして経験を重ねてきた彼女が、今年は初めてスタッフとして関わりたいと希望した。箸つくりのときに木工ナイフの使い方を教えたり、釜戸や薪風呂の火をつける手伝いをしたりなど、参加者の子どもたちをサポートする姿を見て、親としての喜びと共に、彼女自身の新たな学びの機会になったことと思う。

2015年から毎年のように開催してきたが、振り返ると、これまでの歳月は様々な変化ももたらした。うちの子どもたちの成長に伴い、笹のいえが手狭になってきたことや、毎年同じアクティビティを繰り返すための慣れなど、新たな課題も見えている。

来年の春には千葉への引っ越しが決まり、このイベントも新たなステージを迎えることになりそうだ。古巣であるブラウンズフィールドでの再開を予定しているが、新しい環境での開催に向けて、これまでの経験を活かしつつ、新たな挑戦も考えている。

新しい仲間を募り、リスクを分散させながら、長期的に継続可能な形を模索したい。イベントの本質的な価値は変えずに、関わる人々の個性を活かした新しい展開を期待している。

「笹の夏休み」は、単なる子どものイベントではない。食の大切さ、家族の重要性、遊びの楽しさ、そして何より自主性を育む場だと自負してる。これらの価値を大切にしながら、さらに楽しい時間を共有したい。

新しい環境での再開には乗り越えるべき課題もたくさんあると想像するが、このイベントの主旨に賛同してくれる親御さんと子どもたちと共に、新たな「笹の夏休み」(名称は変更すると思います)を創り上げていきたい。世の中には様々な生き方、暮らし方がある。その中のひとつの選択肢として、自然と調和した暮らしや食の大切さを伝え続けていきたい。

引越しは半年先のことだし、予定変更も十分あり得る話だ。はじまってもいないことをあれこれ言うのは好きじゃないだれけど、ここで文字にすることで頭の中を整理させてもらった。

*下記タグ「笹の夏休み」をクリックすると、関連記事が検索されます。

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くだらな土佐弁辞典

積んでって

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積んでって

【意】乗せてって

 

例:「おんちゃん、積んでって〜」

意味:「おんちゃん、車に乗せていって〜」

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4001プロジェクト

高橋敦子 (田井)

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高橋敦子さんは南川地区の生まれ。当時の南川地区の子供たちは川奈路という地区にあった南川小中学校に通っていたそうです。

その後いったん岡山の会社に就職した敦子さんは、高知に戻ってきて20歳頃に結婚。

お相手は大川村の方で、数年大川村に住んでいたそうです。

22,3歳ごろには田井に移り、以来ずっと田井に住われているそうです。

 

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とさちょう植物手帖

ツチアケビ(土木通)

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遠目に見たツチアケビ

土佐町溜井の道路を歩いていて藪の中にふと目が留まりました。ふつうの草花なら目につかないようなヒノキの造林木と雑草に覆われた薄暗い場所です。

ツチアケビです。

 

果実のついた全草

70㎝ほどの高さの茎に真っ赤な実がびっしりついています。

ラン科ツチアケビ属の腐生植物(菌従属栄養植物)で、葉がなく、葉緑素を持たないため光合成を行わず、ナラタケの菌類から養分をとって育つそうです。

多年草ですが毎年同じ場所で開花するわけではありません。

環境が良ければ数年に1度ぐらいの頻度で出現するそうですが、私が見掛ける場所はいつも違っています。

 

鈴生り状態の果実

土の中から出てアケビのようだということで「ツチアケビ」の名が付いていますが、アケビというよりもウィンナーソーセージの方に似ています。

別名をヤマノカミノシャクジョウ(山ノ神の錫杖)といい、実をつけた姿が山伏の持つ錫杖(魔除けの杖)に似ているというものです。確かに振ったらシャン、シャン鳴りそう気配があります。

毒々しい赤い実がぶら下がる姿は奇妙ですが、古くから疲労倦怠に効く薬草として用いられてきたそうです。果実を天日乾燥させたものは土通草(どつうそう)と呼ばれる生薬で、ネット検索してみると、なんと「100グラム2,500円の予約販売」の広告にヒットしました。

 

花期(6~7月)のツチアケビは全体が黄褐色です。果実同様に花の咲く姿も風変りです。

写真は2022年6月に別の場所で撮影したツチアケビです。

花を拡大してみるとツチアケビがランの一種であることがよく分かります。

ラン科の花は左右相称で6枚の花被片を持ち、外側の3枚をがく片、内側の3枚を花弁といいます。花弁のうちの1枚は他の被片と色も形も異なり、唇弁(しんべん)と呼ばれて昆虫を誘引するのに役立っています。

ツチアケビの唇弁は黄色くなります。縁にはフリルがつき、虫媒花らしい美しさが備わっています。

これを見ると、「なるほどランだ」と思えるのではないでしょうか。

 

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4001プロジェクト

川村幸 (田井)

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川村幸さん、83歳。昭和15年生まれです。

古味地区で生まれ育った幸さん。さめうらダム建設の際に当時の古味地区はダムの下に沈み、新しい古味地区がさらに山の上方にできました。

幸さんのご家族、ご主人と二人のお子さんはそのタイミングで田井に移り、以来約60年、田井に住われています。

 

 

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2024年3月1日〜3月11日、とさちょうものがたり編集部の鳥山が、長年、土佐町と交流のある京都大学(東南アジア地域研究研究所)が実施しているJICA草の根技術協力事業に同伴し、ブータンを訪れました。これはその滞在記です。

 

 

【ブータン滞在記 3月2日】

早朝に到着したパロ空港から車で移動し、パロの町を少し散策しました。

 

ここがパロの中心地。写真左、赤い看板を掲げている「Mountain Cafe」はできたばかりのお店で、ブータン国内で育てたカカオ豆を焙煎し、販売しています。ブータンは自国で生産しているものが少ないので、今後ブータンの有力な生産物になれるよう、力を入れているそうです。コーヒーはこのお店で味わうことができます。

 

左がカルチュン・ワンチュクさん 右から二人目が坂本龍太さん

 急峻な山々の間の道を車で移動し、首都ティンプーへ。
カルチュン・ワンチュクさんの友人の家に伺い、お昼ごはんをいただきました。
カルチュン・ワンチュクさん。
この方がいてくれたからこそ、ブータンと京都大学の友好的な関係が長年築けているのだと京都大学東南アジア地域研究研究所の坂本龍太さんが話してくれました。

 

坂本さんは、土佐町で行われている高齢者フィールド医学(高齢者健診)に約10年前から携わっている医師です。今年8月のフィールド医学でも土佐町を訪れ、町の高齢者の方の診察をしたり、お話を聞いたりしてくださっていました。
今回のブータン滞在は、この坂本さんが「土佐町から誰か、ブータンに行きませんか?」とお声がけしてくれたことがきっかけでした。(きっかけは語ると長くなるので、後述します!)

 

一緒にお昼ごはんを食べたブータン人の中には、2011年に土佐町へフィールド医学の視察に来たことがあるという方も。土佐町から来ました、と伝えると、「Ohhh!! TOSA TOWN!!」と両手を上げて迎えてくれました。
土佐町がブータンと繋がっていること、そして、ご縁を大切に紡いできた方たちの存在を感じました。

 

大根と豚の干し肉の炒め煮、干しいたけとキクラゲの入った炒め物。右上の「ダル」と呼ばれるお豆のスープも美味!
とにかく辛いブータン料理。滞在中、この「ダル」が幾度となく、私の胃袋を救ってくれました。

 

なみなみと注がれたアラ

アラはブータン東部でよく飲まれている蒸留酒。バターと卵が入ったアラを作ってくれたのですが、少し口にするだけで、クラッとするほど強烈!全部飲み干せず…。
飲み干すのが礼儀であったようなのですが…、本当にすみません!

 

(3月2日、まだまだ続く。)
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