「何の因果で」 ナンシー関 角川文庫
帯もカバーも失くした。表紙はたしか、てんこすの髪がない、江戸時代の成人の印であった月代(さかやき)状の中年男性の横顔のUPだったような気がする。
と、思いながら読み直していると見つけました。
178ページの消しゴム版画です。(ナンシーさんは消しゴム版画のスペシャリストです)きっとこれです、この文庫のカバーの絵は!何と32才だったんですね。
これを見ていて思った。
「カツラの僕的考察」
カツラ(長女ではない、この場合)を帽子にしてしまえば良いのではないか?(*編集部注:英輔さんの長女さんのお名前は「カツラ」さんといいます)
暑い日や外から帰った時など、さっと脱いで冷水を含ませたり、衣紋掛けに引っ掛けたり、夏にはメッシュで、冬には文字通り毛のカツラに、など、バリエーションが広がり楽しそう。
実際、髪が薄くなると季節の移ろいに鋭敏になる。
太陽の熱や雨の降り始めに早く気づく利点があるよ。(それがどうした?)
181ページの文章も納得です。この人の“表現”をもっと見たかったよお。
藤田英輔