「がばいばあちゃん 佐賀から広島へ めざせ甲子園」 島田洋七 集英社
ある夕ご飯の席のことだった。「ばあちゃん、ここ2,3日ご飯ばっかりでおかずがないね」。
俺がそう言うと、ばあちゃんはアハハハハハハ…と笑いながら「明日はご飯もないよ」と答えた。
俺とばあちゃんは、顔を見合わせるとまた大笑いした。今から40年ほど前の話である。
(中略)
「今、世の中はひどい不景気だ」とみんなは言うけど、何のことはない、昔に戻っただけだと俺は思う。変わってしまったのは人間の方だ」と続く。
(これはこの本の始まりの文章)
いきなり笑ってしまった。ばあちゃんの晴れ晴れとした、笑っちゃうような貧乏生活の知恵と名言。幼い昭広少年とばあちゃんの生活をユーモアたっぷりに書かれた本当のお話です。
「お金がないと幸せになれないの?そんなことはない。心のあり方が大切だよ」
この本を読んで、その通りだと納得しました。
清々しさや明るさがあり、自然と前向きにさせてもらえる力強さもある。
是非おすすめの一冊です。
藤田純子