「ゴリラは語る」 山極寿一 講談社
私は以前、少し離れた柿の木の上にサルがいることに気づき、珍しいのでずっと見ていて、互いに見つめ合っていたのですが、もう少し近づこうとして足を踏み出した時、サルはかけ逃げていきました。あとで知ったところによると、サルと目を合わせては行けないのだそうです。挑発するらしいのです。
一方、ゴリラは目と目を合わせてあいさつをするのです。互いにじっと視線をそらさず目を見つめ合います。
著者の山極寿一さんは1978年にゴリラの研究でアフリカに入るようになってから、ねばり強く接触を続けるうちに、ゴリラ社会にホームステイさせてもらい、ゴリラ語や彼らの暮らしのルールを徐々に学んでいけるようになりました。ゴリラの魅力にどっぷり浸り、まさにゴリラ研究の第一人者となり、ゴリラの本を何冊も出版されています。
私も数冊読みましたが、その外見に似合わずなんと穏やかで平和な動物であるのかよくわかります。
ストレスの多い人間社会に置いて、ゴリラから学ぶことは多いと思います。
今では「好きな動物は?」と問われると、迷わず「ゴリラです!」と言えます(笑)。
藤田純子