いつからか、僕はおにぎりを握るのが好きになった。
例えば、塩おにぎりを作るには、ご飯と海苔、塩、手水を入れるボウルが必要で、具を入れるなら更なる準備がいる。以前はこれが面倒だった。茶碗にご飯入れて、海苔と一緒に食べれば一緒じゃん、と思っていた。
そうだ、子どもたちの間食やおやつにおむすびを作るようになってから、握るのが億劫ではなくなったのだ。うちの子たちはおにぎりが好き。学校や保育園から帰って来るなり、「お腹空いた、なんかない?」「塩むすび、握ろうか?」「僕、大きいの二つね!」「わたしは、小さいの三つ!」。さすがに連日だと飽きてきて、「おにぎり以外がいい」というリクエストもあるが、おにぎりの登場回数は上位に入る。
口をいっぱいに開けて、おにぎりを美味しそうに頬張る姿を見ていると、こちらのお腹まで空いてくる。そんな時は、もちろん自分で握る。
握ったご飯は、茶碗に盛ったご飯よりも何故か美味しい。
握ることで、その人の「気」のようなものが入るのだろうと思う。
写真:末っ子・月詠(つきよみ)最近のお気に入りの食べ方は、ご飯と海苔を別々に味わうこと。口に入れたのと同じ数の米粒が顔や手足にくっ付く。