「寂聴 九十七歳の遺言」 瀬戸内寂聴 朝日新書
「私なんか何もない」などと思わないで下さい。
全ての人にその人にしかない才能が、必ず授かっています。
何もなくても、笑顔は作れます。
「和顔施」 和やかな顔を相手に与えなさい。
「忘己利他」 自分のためじゃなくて、自分以外の人の幸せのために生きなさい。
人間は苦しんだ分だけ、愛の深い人に育っていくのです。
などなど、生きる極意のような言葉がちりばめられています。
97歳になってもなお、文筆活動が楽しくてたまらないという寂聴さん。その穏やかな悟りに至るまでには、さまざまな苦しみや悲しみ・楽しみを昇華させてきたのでしょうね。
久しぶりに、「生きていくという事」への想いを見つめてみました。
田岡三代