「城郭考古学の冒険」 千田嘉博 幻冬舎
とても楽しそうにお城の紹介をしてくれるキャラでお馴染みの千田先生の著書です。
学者としての幅広く豊富な知識と根拠に基づいて解説してあります。観光中心の間違ったお城再建に苦言を呈する場面も度々です。
天守閣の「閣」は後世付けられた名称であって、学術的に正しくは「天守」だそうです。様々な年代・種類の石垣・土塁・堀…などの深い見方も解説。
「馬だし」と呼ばれる軍事上とても重要な区域は家康でほぼ完成形になっている。やはり天下を獲ったのは綿密な作戦と準備にあったのだと納得です。
シンボルとして天守があるのが「お城」と思い込み、その華やかさのみを追い求め、軍事空間である事をすっかり忘れ、お城の上面しかみていなかった単なる城ファンの感想です。