「タンタンタンゴはパパふたり」 ジャスティン・リチャードソン&ピーター・パーネル文, ヘンリー・コール絵 ポット出版
今から一昔前の2008年に翻訳出版された絵本(原作は2005年出版)ですが、知ったのは2年前、ブレイディみかこさんの著書『僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー』がきっかけでした。そこで「英国保育業界のバイブル。『はらぺこあおむし』や『かいじゅうたちのいるところ』と同様、どこの園にも必ずある名作」と絶賛されており、そんな名作を知らなかったなんて…、と不覚を恥じて即、読んだのでした。
NYのセントラルパーク動物園で恋に落ちた二羽のオスのペンギンの話で、実話に基づいて生まれたという絵本。男と女、夫婦、親子関係などを「こうでなくてはいけない」という鋳型にはめ込んで考えるのではなく、自由で色彩に満ちた世界をありのままに受け入れられる感性・素地を作ってくれるのは、こういう絵本なのではないかと思います。