「最初の質問」 長田弘 詩 いせひでこ 絵 講談社
詩人の長田弘さんが紡ぐ言葉はどれも美しく、まっすぐに心に届きます。ちょっと嬉しいことがあった時、あるいはすこし淋しくなった時、気がつけば長田さんの詩集やエッセイを開いています。
けっして麗々しい言葉ではないし、よく口にする言葉なのに、長田さんが記すると、言葉が言葉本来の意味を持ち、美しい響きを取り戻すように思われます。
「今日、あなたは空を見上げましたか。」
「空は遠かったですか、近かったですか。」
「樹木を友人だと考えたことがありますか。」
「何歳のときのじぶんが好きですか。」 ……
答えを思うたび、豊かなものに満たされていく絵本です。