「もう、家に帰ろう 2」 藤代冥砂 ロッキングオン
息子が一年生になった。 保育所時代、歩くのをいやがり自分の軽い荷物でさえ、持ってーと甘えていたあの息子が重いランドセルを背負って片道2キロの通学路を歩いてゆく。
朝、いっしょに通学する友達の姿をみつけると、こちらを振り向きもせずにはしゃいで学校へとむかっていくうしろ姿に、成長の喜びとともにすこしのさびしさを感じてしまった。 どんどんこうして離れていくんだなぁ、、、 あんなに早く大きくなってくれぇ〜と心から祈っていたのに、ほんとのほんとに大きくなって、離れていく予感を感じたら焦るあまのじゃくな母のわたしのきもち。 でも、これでいいんだ!これがいいんだ!…そう言い聞かせる。
この「もう、家に帰ろう 2」は著者である写真家の藤代冥砂さんの家族の写真集。息子さんを妊娠している頃からを順に追い、約6年間の記録を著者の温かいコメントと共に綴られている。 他人の家族写真なのに、自分達家族の記憶とかぶり、思わず感情移入して泣きそうになる。
一日一日は、大きな感動もなくただただ慌ただしく過ぎていくのに、一日が日々になって積み重なるとどうしてこんなにも愛おしくせつないんだろうか。 もう二度と取り戻せないあの日々。 想い出はいつだって美しい。
この素敵な写真集の表紙に落書きした幼い息子の痕跡。当時は本に落書きして叱ったのに、今ではそれですらいとおしく思える。。。 …じゃあ赤ちゃん時代に戻れますよ!といわれても戻りたくはないんだけれど。