連日の猛暑。強烈な夏の日差しの中、蝉の鳴き声が響く。
午後、急に空が暗くなったと思ったら大粒の雨が落ちてきた。あっという間にザーッと音を立て始め、慌てて洗濯物を取り込みに走る。致命的な濡れから救出、やれやれ、と思ったところで雨が止む。恨めしく見上げた空はもわんとした空気に満ち、また強い日差しが戻ってくる。やり切れなさを感じながら、また洗濯物を外へ出す。こういった行動を何度か繰り返す、夏。
夕方、国道439号線を車で走った。土佐町から本山町へ向かって走って左側、川田石油さんの辺りから早明浦ダム方面を眺めた風景。藍色の山々の間を流れる吉野川は先ほど降った雨も湛えながら、水面から蒸気を立ち昇らせていた。
車をとめて、移りゆく流れを眺めた。子供たちに「もうそろそろ行こうよ」と言われても、「あともうちょっと」と何度引き延ばしただろう。できることなら、もうしばらく見ていたかった。
うだるような夏の合間の、ちょっとしたご褒美のような風景だった。