今回は、和田地区の和田さんご夫妻。(ちなみに土佐町には和田さんが多いです)
和田佐登美さん・芙美子さんのご夫妻は、山深い和田地区の中でも奥の方に住んでいる。
山の暮らし、山の人。
山の人の暮らしは季節と共にある。
だから小春日和のこんな日は、なんだか二人とも嬉しそうなのです。
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土佐町の現在の人口です。(2017年6月末時点・土佐町公式サイトによる)
注:土佐町の総人口が3,997人(2017年4月末時点)から4,001人(6月末時点)に増加したことに伴い、当プロジェクト名も「4,001プロジェクト」に変更になりました。
“4,001プロジェクト”は土佐町に住む人々を、全員もれなく、写真家の石川拓也が撮影する計画。
念のため書いておくと、「全員もれなく」…あくまで目標です。
土佐町の人口の増減によって、タイトルもたまに変わります。 (敬称略・撮れたときに不定期更新)
今回は、田井に住む石川さんファミリー。
撮影場所は高峯神社のてっぺんです。
ある晴れた日の午後、登山道のような高峯神社の山道を一家でヨイショヨイショと登ったところで撮ったのがこの一枚。
ポストカードにはお兄ちゃんふたりの駆け回る後ろ姿が写っていますが、その後ろで見守っているこの3人もいてくれて初めて撮れた写真です。
祭り、山、川遊び!土佐町の夏、かなり楽しいです。土佐町に来て季節が一回りして、夏が一番好きかも。
2016年の「秋篇」から始まり、これで季節4本分が揃いました。
これにてシリーズ完結とさせていただきます!
言うまでもなく、この4本を作るにあたって、土佐町のたくさんの方々に助けていただきました。
出演いただいた方々、毎回上映のときに見に来ていただいた方々、町のことをいろいろと教えてくださった方々、この場を借りて感謝を伝えたいと思います。様々な形で応援していただいた方々がいなければ、この4本は完成しなかったのは間違いありません。ありがとうございました!
それから忘れてはいけないのが、音楽。
4本とも個性的で素晴らしいミュージシャンが曲を提供してくれています。
「秋篇」 Paco Montalvo (スペイン) “Oriental”
「冬篇」 Macfeck (ヨーロッパ混成バンド) “Shlofn”
「春篇」 Stringspace String Quartet (オーストラリア) “Canon”
「夏篇」 Aston Band (オーストラリア) “Viva La Vida”
毎回、音楽選びにはかなり悩みました。可能な限りたくさんの曲を聴き、そして心に決めた曲を弾いているミュージシャンに「ムービーに使っていい?」と直接聞いてみる。
聞いてる本人が意外なほどに皆さん快くオッケーしてくれました。中には「僕たちの国に来て一緒に仕事しよう!」と誘ってくれるミュージシャンもいて、とても励まされる経験でした。
良いものを作りたい!という彼らの気持ちが「キネマ土佐町」の大きい要素になっていることは言うまでもありません。
遠く海を離れたそんなミュージシャンたちにも大きな感謝を伝えたいと思います。
それから以下に完成版「キネマ土佐町」の3篇もまとめて紹介します。完成版、と書いているのは4本が揃ったときに(つまり最近)、微修正・微調整を入れたから。
シリーズ合わせて、10年20年と長く観られるものになっていって欲しいと思います。
地蔵寺の筒井さんご夫妻。
川沿いの日当たりの良いお家に住む、とても穏やかで仲の良いご夫婦です。
夫の政利さんは、15才で志願して海軍の海兵となり、軍艦の乗組員でした。
3度目の航海。フィリピン沖で米軍の爆撃を受け、負傷し意識を失い、気がついたらマニラの病院のベッドに横たわっていたそうです。
右頬に重傷を受け、命からがら日本に搬送された後も長い入院生活。
高知に帰ってきても手術を繰り返し、なにかとご苦労が絶えなかったそうです。すれ違いざまに顔の傷を笑われたこともあったとか。
この撮影の日は、春の訪れを告げるようなぽかぽかと暖かい日差し。
おやつにミカン、まんじゅう、熱いお茶。夫婦仲良く2ショット。
あのとき軍艦の甲板で燃えさかる爆撃に怯えていた少年に、今日のこの穏やかな日常を伝えてあげたくなりました。
高峯神社 | 石川吾朗 寛大
今回は「高峯神社」。
峯石原の上、安吉(やすよし)という集落にあるこの神社、鬱蒼とした森の中、長い山道のような参道が一本山頂まで延びています。
光は柔和、空気は清涼、苔はフカフカ。洗い清められる場所。
うる覚えなのですが、これは以前耳にした伝説。
「その昔、宇佐(土佐市)の海の沖に竜が居座ったことがあった。漁師たちは魚が獲れなくなりたいへん困り、海の神様に相談に行った。海の神は民の声を聞き、竜に近づき、おもむろに蹴っ飛ばした。それでようやく民は魚を獲ることができるようになった。めでたしめでたし。この竜がいたところ、それが現在宇佐町の竜という地名になっている。」
そしてこの竜が蹴っ飛ばされて飛んできた先がこの高峯神社なのだそうです。
今回の写真に話を戻すと、2人の子供は石川吾朗くん寛大くん兄弟。
子供たちにとってはどこでも遊び場所。
「トトロはどこ〜?」と元気よく走りまわってくれました。
西峯千枝さんは、とさちょうものがたりの新連載「ほのぼのと」でも素敵な文章を書いてくれました。
「ほのぼのと」、同世代の女性5人がリレーで書いているエッセイです。その時代にこの土佐町で生まれ育った人にしか書けないような話ばかり。千枝さんのお話に限らず、こういったこの町ならではのストーリーを、ゆっくり丁寧に残していくことが大切だと考えています。