「世界を変えた10冊の本」 池上彰 文藝春秋
・アンネの日記
・聖書
・コーラン
・プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
・資本論
・イスラーム原理主義の「道しるべ」
・沈黙の春
・種の起源
・雇用、利子および貨幣の一般理論
・資本主義と自由
この10冊が選ばれています。宗教・経済・思想・公害…。人類が尊厳ある人間として存在していく為の根拠が記されている10冊のように思われます。
嚙み砕いて要点のみを簡潔に説明しているので、その一冊を読んだ気になってしまいます。
著者名
記事タイトル
掲載開始日
山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。
人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。
土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?
みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!
(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)
「大君の通貨 幕末「円ドル」戦争 」 佐藤雅美 文藝春秋
第4回新田次郎文学賞受賞作品です。
幕末期に為替レートの関係で、日本の金が海外に大量流出したという事柄だけはうっすらと記憶にありましたが、詳しい事実は全く知識としてなく、歴史上の出来事として通過してきました。
日本が世界経済に対する無知さゆえに相手国の言いなりとなり、駐日総領事(ハリス)個人の利殖目的のために翻弄された為替レートのからくりが詳しく描かれています。
事実を正しく把握し適切に処理しようと動く人物は色々な思惑により排除され、金流出を食い止める最後の砦を失っていく過程が、歴史経済小説として目の前に展開していきます。
世界経済に無知な国民と侮られたかと思うと、非常に悔しい。
「神社に秘められた日本史の謎」 古川順弘 宝島社
「金刀比羅宮が神社本庁を離脱」
しかも理由が神社本庁に不信感を抱いたのが原因だというニュースを新聞で読み、信仰って何?神社って何?と思っていた時にこの本が目に留まり、買ってみました。
一回サーッと読んだだけなので、深く理解した確信はありませんが、仏教とも関わりを持ちつつ、秩序を作り上げる為に利用されてきた歴史が綴られています。
そして昭和戦後、国立的だった神社組織の解体、自らが利益追求をしなくてはならない民間企業のような立場に突然追い込まれた歴史。そのような経緯で組織されたのが神社本庁。全国の神社(一部の有力神社は属さず)を包括する宗教法人・神社の頂点です。
聖書を基準とする信仰との歴史の違い・遺伝子レベルに組み込まれた信仰との差を実感しました。
「農山村は消滅しない」 小田切徳美 岩波新書
2013年頃に話題となった「市町村消滅論」「地方消滅」。
詳しい内容まで踏み込まなくても、この言葉の与えるインパクトはかなり強烈だった。「農山村は消滅しない」というこの本のタイトルを見た時は励ましを感じました。
移住・地域おこし協力隊の意義・受け入れる側の心構え等、現実を踏まえた上で論理的に述べられています。
先祖代々根付いてきた高齢者の方たちの住み続けるという強い意思、そして土地に対する誇りが農山村を消滅させない力強い原動力となっている。
中央によるアメとムチをちらつかせた政策として平成の大合併が行われましたが、隅々まで手の届かない地方自治体が増えた事により地方に諦め感が発生する。その諦めが地方を衰退させる遠因となりうる。
もう一度、統合の為に廃校となった学校単位での集落の活用が見直されるべきであると述べられていて、納得でした。