「富士山うたごよみ」 俵万智(短歌・文)
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山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。
人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。
土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?
みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!
(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)
日本歴史の中でも、源氏と平家の勢力争いは、最も有名で深刻なものでありました。
屋島の戦い、壇の浦の決戦などは、皆様のよくご承知のことであります。
それ以来、全国至る所で、両勢力の闘争がくり返されたものでありました。
ある平家の残党(生き残った仲間)が、源氏の兵どもに追われて、吉野川をさかのぼりつつ、この地まで落ちのびて来た時の話であります。
源氏の兵どもは、それを追って、鳥越峠(現在のさめうら荘の近く)を越えて逃げて行く平家の残党を、今夜中に、ここで一気に全滅させようと、勇みに勇んで、この峠に立ちましたが、幸か不幸か夜は白々と明け始めていました。
この時、峠に立って、西の方を眺めると、あたりは一面の雲海で海を思わせる風景であったのでしょう。そこで、源氏の大将は峠に立ちはだかり、
「えれ、残念、早や夜が明けたか。」
と地だんだふんで残念がったということであります。
平家の残党は、夜明けを幸い、落ちのびることができました。
こういう伝説が、いつか早や明けの浦となり、早明浦となったということであります。
澤田南海男(館報)ー「土佐町の民話」より
悲しいお知らせです。
パクチー銀行土佐町支店開設のお知らせをしたのが9月8日のこと。
資本であるパクチーの種を用意して融資を順調に行っていたつもりでいたのですが、10月のある日、融資場所である土佐町役場玄関を(久々に)確認したところ、パクチーの種が在庫ゼロになっていました。
パクチー銀行は「返済義務なし」でのパクチーの種融資が特徴の銀行です。
資本であるパクチーの種が無くなった時点で、新たな融資はストップ、つまり運営不能となりました。
以下は11月2日付の土佐町新聞朝刊、一面トップすっぱ抜きです。
高知新聞の情報網をかいくぐり、土佐町新聞がスクープした模様です。
パクチー銀行土佐町支店 が経営破綻。
パクチーの種を融資する活動で知られるパクチー銀行の土佐町支店が、開設わずか二ヶ月で破綻する可能性があることが わかった。
土佐町支店長の石川拓也氏が昨夜明かした。支店長によると、十月某日、土佐 町支店(土佐町役場玄関)を確認したところパクチー銀行の資本であるはずのパ クチーの種が全て尽きていたという。
パクチー銀行の特徴として、「無審査」「無担保」での融資に加え「返済義務なし」での融資が挙げられるが、今回この3つ の特徴が完全に裏目に出たとみられる。
土佐町支店は融資ばかりを 行い、回収を全く行って いなかったため、今後新たな融資を行う資本(種)を失い、運営不能に陥っている。
支店長によると、 「親切な誰かが資本を戻してくれるか、親切な誰かが資本を持ってきてくれるか、親切な誰かが資本 を注入してくれるかしないと、土佐町支店は破綻したままです」とのこと。 新たな融資の希望者の一人は「支店長は他力本願が過ぎる」と怒りを隠せ ない様子。
猶、「資本を持ってきてくれる」と「 資本を注入してくれる」 は基本的に同じことを繰り返していると専門家はみている。
今後、各業界への影響は 決して小さくはないが、 パクチー銀行本部が破綻する可能性は「なくはない」ぐらいなものだと関係筋は予測している。
とさちょうものがたり編集部としては、融資が停滞している現状に対して大変遺憾な思いを公式に表明いたします。
ですが「ないものはない」ということも厳然たる事実。「支店長は他力本願が過ぎる」という意見には完全に同意しますが、ここは親切な人が現れるのをのんびり待ちましょう。いつか、採れたパクチーの種を返済に回してくれる方が現れるでしょう。ひとやすみひとやすみ。