笹のいえ

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母ちゃんのとなり

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布団を敷いていざ寝るぞというときに、「今日は誰が母ちゃんのとなりで寝るのか」という問題が持ち上がる。

両脇あるうちの一方は、赤ちゃん専用と決まっているから、空いているのは反対側のみ。この場所を三人の子どもたちが狙う。少し前までこの場所をめぐって毎晩争いが勃発していたのだが、最近は平和的に日替わりで決まっているようだ。しかしながら、当番の子が寝入った隙に、その子と母ちゃんとの間に入り込むという高度な技が開発され、おちおち寝てもいられない。また、まだ小さい次男は、「泣く、ぐずる」というスキルによって特別待遇を得ることもあり、姉兄は油断できない。

その様子を横で見てる僕は、「父ちゃんのとなり、空いてるよ」と、声を掛けてみる。大抵無視されるか、「ひとりで寝るよりは、まし」と、こちらにやって来ることが稀にある。

そして、これはもう自慢の域に入るくらいなんですが、うちの子たちは皆相当に寝相が悪い。寝息が聞こえると同時に、あちらこちらにゴロゴロと転がりだし、結局、母ちゃんのとなりには赤ちゃんだけ。当人たちは、朝の自分たちの状態に疑問を呈することもなく、寝相が改善されることもない。

それでも、家族6人が布団を並べて寝られるのは、有り難いなあと思う。

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笹のいえ

夏休み、はじまる

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夏休みがはじまった。

しっかり者の長女はすでに宿題をはじめていてる。毎年8月31日に泣きながら手付かずの宿題をやっていた父ちゃんとはエライ違いだ。

保育園大好き長男は、夏の間も通いたいと言う。幼少のころ、少しでも家でゴロゴロしたかった彼の父親とは、これまたエライ違い。地元保育園に夏休みの設定はなく普段と変わらず登園できる。働くお父さんお母さんの強い味方。ありがたい限りです。

毎日が夏休みみたいな次男はいつも通り、今を生きている。でも、いつもは学校や保育で居ない姉ちゃん兄ちゃんと一緒だから嬉しそう。

生後三ヶ月となった末娘は、母ちゃんとの蜜月な毎日を送っている。まだ夏休みとは無縁の乳幼児。

四者四様の夏休み。どんな日々が待っているだろう。

大人の事情であちこちして、なかなか時間が取れないでいる父ちゃんだけど、本当は君たちと遊びたい。今年の夏は一度限り。仕事はほどほどにして、僕も夏休みを満喫することにしよう。

 

写真提供:川原将太

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オケブロ

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各地で記録的な降水量と被害をもたらした台風7号と梅雨前線。

ここ土佐町では、一部大雨による避難指示が発令され、一時緊迫した状態だった。しかし幸いにも大きな土砂災害や怪我人もなかったと聞いている。雨の多い場所柄、地域の防災に関する意識と知恵の賜物なのだろう。

笹のいえの水は、山からパイプで引っ張って来ている。大雨になると水の取り口に落ち葉やらが詰まり止まってしまうことが多い。この度にえっちらおっちらと山を歩き(と言っても200mくらい)、掃除をする。今回も雨が降りはじめて数日で止まってしまった。かと言って、この雨の中パイプを掃除してもまたすぐ詰まるだろうし、増水した沢に近づくのは危険だ。

長雨になることは天気予報で知っていたから、その前に風呂桶に水を貯めておいたし、貯水槽には数日分の水がある。とはいえ、雨がいつ降り止むかわからない状況で、多量の水を使うのは気が引ける。

なので、何度かオケブロをした。
大量に水を使うお風呂の代わりに、桶にお湯を注ぎ、最小限の水で体を綺麗にしようというわけだ。
いつもは乳幼児のためにするのだが、なぜか兄弟たちも大好きなオケブロ。
かまどで羽釜にお湯を沸かしておいて、桶にあけ、水を足し温度を調整する。

一番上のお姉ちゃんは手と足を温めて満足するが、下の兄弟はがっつり「入浴派」。入浴と言っても、桶であるからして当然、浅い。それを我先にと二人で入るものだから、お湯は溢れるわ、狭いわ、「もうちょっとそっち行け」と喧嘩ははじまるわ、もうカオス。

親に「もう出なさい」と十回くらい言われると、渋々お湯(すでにぬるま湯になっているが)から上がる。ビショビショになって飛び出してくるので、タオルで受け止めてやる。着替えて、そのまま布団へ直行。そして、母ちゃんにお気に入りの本を読み聞かせてもらい、いつの間にか爆睡。嗚呼、子どもになりたい。

写真は、お互い「せまい」と文句を言っているところ。順番に入るという発想はまだ、ない。

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今日のおかず

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あなたはチャーテの蔓も食べますか?

石垣を超えて今年もチャーテの蔓が伸びて来ました。先っぽの新芽部分をポキポキ折って収穫します。

ニンニクと千切りにしたジャガイモをフライパンで炒めたところにざく切りした蔓を加えて、塩胡椒で味付けしたら出来上がりです。

シンプルですがシャキシャキとした食感がたまらない一皿です。お夕飯にもう一品いかがでしょうか?

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長雨

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台風7号と梅雨前線の影響で、6月の終わりから毎日雨だった。

梅雨に雨が振るのは当たり前だけど、これほど降り続くと予定していた作業が滞り、とても困る。

雨の日は内作業をすることが多いが、こうも連日雨だとそうもいかない。

田んぼや畑には、やることがゴマンとあるのだ。

雨の中、気が焦りつつ車を運転していると、ご近所さんが草刈りをしているのが目に入った。そうか、草刈りだ。

「草刈り」は、実は雨の日にはもってこいの仕事。

晴天のときこれらの作業をすると、暑すぎてすぐバテてしまう。小雨くらいなら、楽しいくらいだ。

上下に分かれている合羽を着込む。その下はTシャツと海パン。蒸れて汗もかくけど、すでに雨に濡れているから、気にならない。風邪を引かないように、Tシャツは休憩毎に着替える。海パンは濡れても作業が終われば、合羽と一緒に軒の下に吊るしておけばすぐ乾く。

雨の日に外作業が進むってのは、何となく得した気分になる。

でも、さすがにこの長雨では、土いじりができない。

7月に入っても、大豆が蒔けない。家の前のネムノキの花が散りはじめてるというのに。

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麦秋

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米は秋に収穫だけど、麦は梅雨時期に刈り取りをする。

小麦畑が黄金色に染まり、秋を思い出させる。麦秋とはよく言ったものだと思う。

雨の多い季節に収穫なので、天気予報とにらめっこしながらタイミングをうかがう。

収穫後も脱穀や天日乾燥があるので、気が抜けない。長雨はカビの原因となるし、干す期間が長すぎても実が日向臭くなったり、どこからやって来るのか蛾が湧いてしまうことがある。畑で実の完熟を待つより、早め早めに作業を進める方が失敗が少ないようだ。

今年は下草が多いためにバインダーが詰まってしまったりして、半分くらいは手鎌で刈った。束になった麦わらを、地面に打ち込んだ支柱の周りに立て、上からシートを被せて縛る。このまま数日乾燥させた後脱穀し、晴れた日に玄麦をシートに広げる。麦を歯で噛んで、カリッと割れるくらいを乾燥の目安にしてる。

今回の収量は去年の三分の二ほど。畑の低いところに蒔いた種が雨に浸かり、発芽率が悪かったからだと思う。それでも、しばらくは自家製小麦粉を楽しめそうだ。

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堆肥置き場

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笹のいえの畑に、堆肥置き場がある。

日々の排泄物や生ゴミ、刈った草や畑の残渣などを積んでいる。

年に一、二度天地返しをして、分解を促す。発酵しやすくするために、生活で出た米糠や大鋸屑を投入することもある。内部の風通しを良くして微生物を活性させようと、去年から節を抜き、側面に穴を開けた竹を堆肥の間に置いてる。

これだけの手間で、ほとんどのものが土に還ってくれる。

ふるいに掛けると、落花生の殻や栗の皮などの固い物が残る。発芽してる種もある。それらを観察して、「そういえば、こんなもの食べたんだっけ」と思い出すのも楽しい。

ここは微生物や虫たちの住処として居心地が良いらしい。トタンの屋根を取ると、いろんな種類の生き物を見ることができる。モグラの穴もある。長男にカブトムシの幼虫がいるよと教えると、飛んでやって来た。容器に移して飼うらしい。

堆肥は培土として利用することもある。トイレで使ったくん炭は分解されず、そのままでは水保ちが悪いので、畑の土と混ぜる。畑に撒くこともある。自然界で土壌ができるのは長い年月が必要だが、こうすると必要な場所に土を増やせるので嬉しい。

完全に分解された堆肥は、土の良い匂いがする。

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名づけ

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母親の誕生日と同じ日に、四人目が誕生した。

「無事に生まれてくれれば、性別はどちらでもいい」と言っていたものの、男子がふたり続いた後なので、実は待ってた女の子。名は「月詠(つきよみ)」です。どうぞ宜しくお願いします。

名づけ親はお義父さんで、日本神話に出てくる神様・月読尊(ツキヨミノミコト)が由来だ。

神様の名前だなんて、どうしたって名前負けするしかないけど、「月をよむ子になってほしい」という願いが込められている。

「最近の子の名前は難しくて、よう覚えん(とても覚えられない)」

と言われる昨今。そう言えばうちの子たちの名もその部類に入るかもしれない。

長女・ほの波(わ)の誕生のときは、初めての子と言うこともあり、名付けに気合が入っていた。出産予定だった9月は、田んぼに稲穂が実る季節。風が吹くと波のように揺れる穂波をイメージ、やわらかい印象にしたくて一部をひらがなにした。

次に生まれてきた長男の名前は、玄人(げんと)。僕は玄米好きなので、この文字を使いたかった。音が男らしくて好きだ。「玄」は全ての源と言う意味があると後から知った。彼から名前の由来を聞かれたら、さも知っていた風に教えてやろう。一般にはクロウトと読むってこと、人から指摘されるまで気づかなかった。

ここまでは親としての想いというか、イメージ先行というか、字画による右往左往はあったけど、比較的スムースに命名していた。しかし、三人目が生まれるときは、すでにネタが切れていた。

三人目、次男がやって来た日は、皆既月蝕でしかも満月だった。だから、月に因んだ名前にしようかと考えたが、これが難航した。新生児の名前は出生後14日以内に届け出ないといけない。刻々と迫るタイムリミットに段々焦ることになる。

提出期限まで待ったなしというある晩、集中的に考えた。奥さんのお祖母さんが字画に詳しい方なので、候補を挙げては伺いを立て、却下されては、また考え、の繰り返し。結局その日は決まらずにいつの間にか寝落ち。翌朝、改めてノートを見て笑ってしまった。央丸(まんまる)とか蒔人(まきと)とか、個性的な名前が書き殴られていた。

結局、20ほどの候補の中から、親類友人たちと投票をし、「耕丸(たがまる)」と名が決まった。これで一安心と思っていたが、里帰りしていた千葉から高知に戻って、土佐弁に「ちゃがまる」という言葉があることを知ることになる。「壊れる」という意味だが、地元の知り合いは親しみを込めて「ちゃがまったらいかんぞね〜」と冗談を言われ、しばらく「ちゃがまるくん」と呼んでいた。命名するときは、その字や音が国内外の言葉や言語でどういう意味になるのかリサーチする必要がありそうだ。

変わった名前と言えば、うちの奥さんの名は「子嶺麻」と書いて、シネマと読む。あだ名のような名前だが、本名だ。ご察しの通り、彼女の御両親は映画鑑賞が好き。一度聞いたら忘れないだろうし、海外の方にも覚えやすい名前だ。

 

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今日の保存食

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ちょっと見ない間にパクチーの葉はとりごろを逃し、花が咲き、種になりかけていました。

そんなパクチーを茎ごとザクザク切って、硬い茎を取り除いてパクチーペーストにしました。

美味しいオリーブオイル、塩、くるみ、うちで採れたにんにくを一緒にフードプロセッサーに入れて混ぜるだけ。わたしは去年のパクチーフェスでこのペーストの虜になって、今ではバジルペーストよりもずっと好きです。バジルをペーストにするモチベーションがなくなってしまって、困ってるくらい。

使い方はバジルペーストと同じで、パンに塗ったり、パスタを和えたり。サラダに混ぜたり、伸ばしてドレッシングを作ったりしても最高です。パクチーの匂いが苦手じゃなかったら(このハードルが意外と高いですよね)今からでも遅くないので是非。

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おこげ

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久々にやっちまいました。

もう何年も羽釜で炊飯をしているけど、稀に(本当に稀に)ご飯を焦がして、重度のおこげを作ってしまうことがある。いつもと同じように焚いているつもりなのに、薪の具合とか、浸水の具合とか、気の緩みとか、そんなことが原因なんだろう。

焦げ臭い!と気づいたときはすでに手遅れの場合が多い。

慌てて軍手を着け、速やかにかまどから降ろす。事実から目を背けたいので、しばらく放っておく。願いが叶うのなら「なかったこと」にしたい。だって、この羽釜は二升炊き。大量のお米を無駄にしてしまったかもしれない。普段子どもたちに「お米は一粒たりとも粗末にしないこと!」と躾けてる父ちゃんとしては、立つ瀬がない。

とはいえ、ずっとそのままにもできないので、えいやと蓋を取り、まずは焦げていない部分をしゃもじで保温ジャーに移す。次はおこげの番だ。

しばらく置いておいたので、釜の中が蒸れて、おこげが取れやすくなってるのはせめてもの救いか。

剥がしたのをバットに並べて、天日に干しておく。

そのうち奥さんが気がついて、僕の心情を察し、静かに料理してくれる。

定番は、おこげせんべい。

油でじっくり揚げて、塩や醤油を振りかければ、カリカリで香ばしいせんべいの出来上がり。

「このせんべい、こげてる〜、にが〜い」という子どもたちのツッコミに、「そ、そうかな。おいしいけどな」と小さい声で答えつつ、いつもより食べる速度が速い父ちゃんなのであった。

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