笹のいえ

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同じ釜の飯

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うちの保温ジャーにはいつもご飯が入ってる。

突然お腹すかせた人がやって来ても、ご飯と漬物くらいはすぐ出せる。
畑から野菜を採ってくれば、温かいお味噌汁も作れる。

笹のいえに興味があるという人に、僕は「ご飯食べにおいで」と誘う。
うちは羽釜でご飯を炊くから、正真正銘「同じ釜の飯」を食べてもらう。
出てくる食事やその雰囲気、一緒に食べ、話をすることで僕らの暮らしを理解してもらえると思うから。

友人知人が来るとき、仕事の打ち合わせのときも、食事の時間に合わせてもらうことが多い。
うちの子どもたちはまだ小さいから、大人だけで落ち着いて話し込んだり、長時間ミーティングすることはまだできない。
でも、いろんな人が来て、子どもたちも一緒にご飯を食べ、おしゃべりすると、笹のいえに気持ちの良い風が吹く。

だから、うちのジャーにはいつもご飯が入ってる。

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今日の保存食

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人生が十人十色なら、梅干しの作り方だって十人十色。

赤紫蘇を入れる人、白梅が好きな人、干さずに梅漬けの人、お塩にこだわる人、

塩分を控える人、カビさせたくないからと塩分を強くする人、消毒をまめにする人、

梅を選別する人、小梅が好きな人、丁寧に大きな梅を漬ける人。

「梅干しを作る」だけでもたくさんのやり方の中から

その人それぞれに合った選択をしていくことになる。

梅干しを自分で作るようになってまだ10年、

たった10回の経験の中から自分に合うやり方を選んできた。

 

初めは母に言われた通り、6月に赤紫蘇を買って一緒に漬けていたけれど、

そのうち自分の家の赤紫蘇を使いたくて買うのをやめた。

9月まで大きくならない野生(?)の赤紫蘇を待つと

梅酢は赤くできても、結局梅は白梅になる。

初めは土用に干さなきゃ!と張り切っていたけど、

晴れた時に干せばいいと、時期は気にしなくなった。

それこそ天気や仕事の関係で9月に入ってから干した年だってある。

 

保存食は作るのに時間がかかるかも知れないけど、焦らなくても

待ってくれる安心感がある。

すごくわたしに向いてるな、と思う。

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かみとしも

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地元の方々との会話の中で、例えばある場所を説明するのに「東西南北」が登場することが多々有る。

「◯◯さんく(家)はスーパーの南側よ」とか「あこ(あそこ)の北に⬜︎⬜︎があるろ」とか。

僕は自他共に認める方向音痴で、普段どっちが北でどっちが西でなんて意識してないので、上記のように言われると、
空を見上げ、あそこに太陽があるから東はこっちで、、、と頭で考えることになる。
慣れるまでに時間が掛かるけど、そして、方向音痴は治らないけれど、ゲームのようで楽しい。

もうひとつ面白いな、と思うのは、「かみとしも」という表現。

「上と下」つまり、川の「上流と下流」という意味だ。

「今朝△△さんが国道を車で下に行っちょったけど、もう帰ってきたろうか」「上では雨がどっさり降りよった」

その度に僕は川の流れを思い出し、ああ、あの辺か、と想像する。

地元の方にこの話をすると、「へえ〜そんなこと考えたこともなかった」。
当たり前過ぎて、という感じだった。

自然と、そして川と密接に暮らすこの地域ならではの方向感覚が面白い。

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梅干し

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今年の夏は、数日間スカッと晴れ!というタイミングがなかなか見つけられず、
土用のころからずっと頭の片隅で気になっていた梅の天日干しがやっとできた。

梅を網戸の上に並べながら、そうか梅を干すから梅干しと言うんだな、なんて当たり前のことに納得する。

梅に限らず、天日で干すと食材が劇的に美味しくなる、と頑なに信じている妻と僕。大量に採れたものやたくさんいただいたものを干す。

 

例えば、食べきれないスイカを切り、干して水分を飛ばし冷凍すれば甘みを増したスイカアイスになる。

例えば、川魚はヒラキにして塩水に浸した後一日干し、炭火で焼けば最高の酒のアテになる。

大豆や米、小麦も干して乾燥させれば虫やカビが出にくくなり保存性も良くなる。

だから、とにかく干すのだ。

その他にも、柿大根隼人瓜落花生筍小豆若芽布団等等。
以前友人に「笹のいえはいつ来ても何か干してあるね」と言われるくらい、うちでは軒先やシートの上で何かが干されている。

お天道様はこんな素敵な力を毎日惜しみなく僕らに提供してくれてる。

ソーラーパネルがなくとも、自然エネルギーを利用できるのだ。しかもタダ。

さあ干しましょう!

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あめかぜ

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集落で夕方前のBBQ。

無風で蒸し暑かったこの日。

「ぬくいねえ」と話していた矢先、涼しい風が木々の枝を震わせながらザッと通り過ぎた。

男衆数名が空を見上げ、ひとりが「あめかぜだ」と言った。

あめかぜは、雨を運んで来る風。

その風に乗って、動きの早い雨雲が青空を覆いはじめてる。

これから雨になるかも。いや、この風ならもっと下(しも)の方だろう。と口々に話す。

地域のひとと付き合っていて感心するのは、
例えば風雲の動きや花の咲く時期、生き物たちが出すちょっとした音などに対して、
彼らが自然にしかも素早く反応していることだ。

たくさんの恵みを与えるが、読み間違えると命を落とす危険も潜む自然と寄り添う暮らし。
生き抜く知恵が、代々積み重ねられた経験と共にいまを生きる人たちの中に集積されている。

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今日のおかず

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畑で大豆から育てた大豆の甘煮。

大豆はコトコト薪火で4、5時間水煮します。

「豆をコトコト煮てる時間が好き」とかではないので

大きな薪を放り込んで放置しちゃうから時間も火加減も適当ですが。

豆が柔らかくふっくらしたら煮豆にする分だけ小鍋に移して

残りは冷ましてから冷凍しちゃいます。

解凍すればすっと大豆料理ができてとっても便利な冷凍大豆の水煮。

冷凍食品だけど大豆を作って乾燥させて選って煮てって考えると手間と時間がだいぶかかってるうちの水煮大豆。

ボリュームも出るし肉や魚の苦手なわたしには大事なタンパク源。そして野菜の少ない端境期なんかはめちゃくちゃ重宝します。

さて小鍋に移した大豆には少々の素焚き和糖と醤油を入れて味付けします。仕上げに米飴を加えて煮詰めたら出来上がり。

素朴な甘みの大豆煮です。

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ひとりばえ

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こぼれ種が発芽してそのまま育つ野菜を、地域の人たちは「ひとりばえ」と呼ぶ。

人間の力を借りずに、野菜が自力で生えてくるからそんな名前なんだろうと推測するけど、
高知に来る前は聞いた覚えがないので、地域限定の表現かもしれない。

笹のいえでは、その辺で種を選別したり、食べ終わった野菜をポイっとすることがあるので、そのまま種が残り、
意外なところで意外なものが育っていたりする。

草の中で見つけた小さな苗は、何科の野菜かくらいは見当が付くけれど、品種まではわからない。
そういえば、去年この辺で傷んだトマトを捨てたな、とか、スイカの種を飛ばしたな、とか遠い記憶を辿る。

手塩に掛けて育てた野菜たちが虫や病気で元気が無いときでも、
雑草に囲まれる厳しい環境で逞しく育っていくひとりばえは、生命力に溢れ大きく育つことが多い。
この環境に適した遺伝子を持っていそうだから、種を採っておいて翌年に蒔くこともある。

棚に蔓をスルスルと伸ばしたかぼちゃのひとりばえが実をつけはじめた。
形はバターナッツみたいだけど、色はロロン(かぼちゃの品種)みたい。味はどうかな。

交雑が珍しくないひとりばえにはこんな楽しみ方もある。

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今日のおかず

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去年までこども達に不人気で日陰者だった茄子。
今年はどうも3人とも好きまでいかなくても嫌いじゃないみたい。
こどもの味覚って変わっていくから本当に面白い。

茄子をよく炒めてから水を差し、味噌をのせてふたをします。
コトコト煮て茄子がくったり柔らかくなって水分が飛んだら、白ごまをふって出来上がり。
甘めが好きな方はみりんを加えてもいいかも。
美味しい味噌と新鮮な茄子だったら、これだけでも美味しいごはんのおともに。

毎日のごはんは特別なものじゃなくて、シンプルだけど美味しいものを作りたい。

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笹のいえ

日が昇るまえに

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朝5時。

まだ太陽が昇る前に起きて、釜戸で湯を沸かし、珈琲を淹れるこの時間は、僕の好きなひととき。
静かといっても無音ではなく、自然に囲まれた笹の環境では、いろんな生き物たちの音が心地よいBGMのように流れる。

田んぼに水が入ってるときは、蛙たちの大合唱だったけど、中干しして水がなくなると、彼らはどこへいってしまったのか、
すっかり声が聞こえなくなった。

蛙に代わる最近のBGMは、ヒグラシ。
その名前から夕方に鳴くものだと思っていたけれど、早朝や曇天の日中、薄暗い林の中でも聞こえるのに気付いたときは、
ちょっとした発見だった。

お天道様が顔を出しはじめ、徐々に明るくなると、この時間はおしまい。
他のセミや鳥のさえずりが加わって、今日も賑やかな一日がはじまる。

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笹のいえ

今日の保存食

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6月に我が家で採れたソラマメで作った豆板醤。

本当は最低でも2カ月は寝かせたいところ、でも今年は麹多め、唐辛子少なめのマイルド仕様にしたので一カ月で様子を見がてら味見してみることに。

味見をしたらもうすっかり味が馴染んで美味しい!なので早速解禁しました。

調味料としてももちろん、ごはんのお供に、きゅうりにつけても美味しい。

こどもは食べれないけど大人用に食卓に常備しようかしら。
保存食だっていつもの料理と同じ、声かけて、様子見て、味見して、自分がいいと思ったら食べちゃう。

保存食で「今うちの〜がこんな状況なんです」って相談を受ける時がたまにあるんだけど、いつもわたしの答えは同じで、「食べてみて美味しかったら大丈夫」。

わたしは自分の味覚を信じていたい。

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