「父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。」 ヤニス・バルファキス ダイヤモンド社
著者のヤニス・バルファキスは、ギリシャの経済危機に際して財務大臣であった人物です。
お父さんが10代の娘に説いて聞かせるように、平易な言葉遣いで、経済の本質的な部分を整理して語っているのがこの本。
経済という、誰もが無縁でいられないけれど誰もが実態を分かっていないものを、根本から紐解こうとしていることに面白みがあります。
この時代、システムが大きく複雑になりすぎて、人間を振り回すような状況になってきています。
その始まりは人間にとって必要だから作られたはずのシステムや制度が、いつの間にやら形骸化して中身のないものになっていたとしても、システムだけは回り続けて人間を振り回すようになっている。そういう意味では「経済」というシステムはその中でも最大最強のものではないでしょうか。
その状況を前にして、人間としてどういう態度をとるか。
◯既存のシステムの中で良い点を取れるように頑張るか
◯古いシステム自体を塗り替えて次の世の中を作ることに力を注ぐか
実は意外と近いところにその選択肢を選ぶときが来てるのかもしれません。