「仁淀川に染む」 植木 博子 郁朋社刊
高校の同級生に仁淀出身の「片岡さん」という方がいて、もしかしてその一族と関係があるのやも・・・との短絡的な興味から読み始めた一冊です。
舞台は仁淀川がゆうゆうと流れる片岡の郷(現在の越知町)です。
時代は戦国時代。
片岡氏に仕える武士が、「高貴な方のお子」(後に美しい姫へと成長する)をある偶然から仁淀へ連れ帰る事になった事から物語は始まります。
戦国時代の流れには逆らえず、それでも民に慕われ豊かな政治を司った片岡一族の様子を、信頼できる主従関係、民に慕われる主君、美しくひかれあう男女等々の話を織り交ぜながら、慈愛に満ちた筆致によって記された歴史小説です。
西野内小代