「もりのどうぶつ」 おおたけひでひろ 福音館書店
写真家 大竹英洋さんの写真絵本です。
この本との出会いは今から10年程前。「東京のことり文庫(本屋さん)で、写真家の大竹さんが話をするから一緒に行こう」と友人に誘われて行き、購入しました。この時に大竹さんがどんな話をしたのか実はあまり覚えていないのですが、大竹さんは目がとても綺麗な人だったことはとても心に残りました。
本に出てくる動物はとても可愛らしくて、優しげで、穏やかな優しい気持ちになります。写真は、大竹さんがこの動物たちを見つめる眼差しそのものなのでしょう。
今この瞬間にもこの地球上のどこかで、リスが木の実をかじり、雷鳥が羽を広げ、ヘラジカが水草をむしゃむしゃ食べている。それを知るだけで、周りの風景が少し違って見えました。
それから本屋さんや図書館で「大竹英洋」さんのお名前を見るたび、勝手に懐かしい気持ちになっていました。
昨年12月、高知市の高知こども図書館で大竹さんがお話をすることを知り、行きました。大竹さんは10年前と変わらない真っ直ぐな目をしていました。大竹さんは初の写真集『ノースウッズ 生命を与える大地』で、昨年3月に第40回土門拳賞を受賞したとのこと。それまで写真絵本は数冊出版していたけれど「これが初めての写真集なんです。初めての写真集を出すまでにとても時間がかかってしまいました」と話していました。
「もりのどうぶつ」との出会いから10年、大竹さんが積み重ねてきただろう時間の層を感じ、ただただ拍手しました。