2019年2月

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

鳥山百合子

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「のはらうた」 工藤直子 童話屋

かまきりりゅうじ、こぶたはなこ、あらいぐまげん、ふくろうげんぞう、つくしてるお…。みんな、この本「のはらうた」に載っている詩の作者たち。

「のはらみんなのだいりにん」である工藤直子さんが、作者に代わって代筆しています。版画は、ほてはまたかしさん。

かつて幼稚園で働いていた私は、子どもたちとよくこの本を開きました。
庭でかまきりを見つけて「かまきりりゅうじがいたよ!」と教えてくれたひろくん、今どうしているかな…。

中でも私はこの2枚目の写真に写っている「かたつむりでんきち」のこの詩が好きでした。

「のはらうた」の詩と版画は毎年カレンダーになるのですが、土佐町小学校の図書室のそばにこのカレンダーがかかっているのを見つけた時は、懐かしい友だちに会えたようでうれしかったです。

鳥山百合子

 

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土佐町ストーリーズ

掛穂の由来(石原)

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いつの頃からかはっきりわからんが、芥川主水と言う人がおったそうな。
猪や猿が多く、作物にわるさをするんで、山の中に小屋を作って毎晩追い払ったそうな。

ある朝のこと、小屋の棟から大きな足が下がってきたと。主水がこれを弓矢で射ろうとしたところ、

わしは三宝山に仕える者じゃが、この山の大神は、作物の豊作を願う神であるので
もうここに来る事はない

と告げ、鐘、太鼓を響かせて去って行った。
主水は伏し拝んですぐに家に帰り、再び小屋を作ることはなかったと言うことじゃ。

さて、その秋は、猪や猿の害も少なく豊作じゃった。
それでその初穂を山頂の大桧に掛けてたてまつったそうな。
それから毎年大みそかの夜に掛穂をするようになったと言うことじゃ。

またその後にこんな話もある。

ある年の秋、安芸郡の小作百姓の藤右衛門が、稲刈りを始めたところ、いつもの年の半分にも足らん実入りじゃった。
刈り入れはそのままにしちょいて、早速、加地子米(田んぼのかわりに地主に払う米)を減らしてくれるように
地主にたのみに行ったんじゃが、地主はうんと言わざった。

困った藤右衛門は初穂と新しい鎌を持って、三宝山に参詣し、刈り残した稲がどうか実って下さいとお祈りした。すると社殿から老人が現れ、

わしは山の神じゃが願いごとは確かに聞いた

と言うて、鎌を片手に大空へ消えていった。

それから、はるばる帰り着いた藤右衛門はその足で早速様子を見に行ってみると、
なんと稲穂は深く垂れて満作になっちょったと言うことじゃ。

それを伝え聞いて安芸郡から参詣する人も多くなったそうじゃ。

町史

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私の一冊

石川拓也

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「日本一「ふざけた」会社のギリギリセーフな仕事術」 シモダテツヤ 中公新書

 

「この本を書くために平仮名とカタカナを覚えました。」

そんな書き方で始まる、日本一ふざけた会社バーグハンバーグバーグの社長・シモダテツヤ氏の仕事論。

最初から最後まで一貫したふざけかた。このセンスは個人的には大好きです。

自分の仕事にもふざけかたが足りないなぁと思わせてくれる本書ですが、「ギリギリセーフな仕事術」というタイトル通り、ふざけるのって意外と微妙なさじ加減が重要で、今のご時世一歩踏み外すととんでもない問題や炎上につながるものでもあるわけで、誰にでもできることではないよなぁとも思います。

でもどこからも文句が出ないような無難なやり方もおもしろくないし、かと言って誰かを怒らせたいわけでもないし。そんな境界線上を行ったり来たりしながら仕事している方は、職種に関わらず多くいるのではないでしょうか。

もちろん著者もそのうちの一人で、実践している悩める同士といった肩ひじ張らない語り口が楽しい一冊です。

 

 

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みんなのアルバム

小学校の卒業記念

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相川小学校の古いアルバムより。

“昭和15年度卒業生”とあります。

 

ぱっと見て、まず子どもたちの髪型や服装に目がいき、

「わあ、サザエさんに出てくるワカメちゃんみたいなおかっぱ!」

「男の子たちの学生帽の下は、やっぱり坊主頭なんだろうな」

そして、中央に座っている先生を見て、

「あら、イケメン!」

なんて、軽々しく思ったりしますが。

 

その年の終わりには、太平洋戦争が始まります。

当時の土佐町で、戦前に漂う空気はどのようなものだったのでしょう。

その後子どもたちがどんな体験をして大人になっていったのか、思わずにはいられません。

 

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私の一冊

西野内小代

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「コンビニ人間」 村田沙耶香 文春文庫

このタイトルを見た時、コンビニが必要不可欠となった現代人の生活模様を描いた内容かと思い、社会風刺的な本であろうと勝手に思い込み購入しました。

読み進むうちに発達障害を持った一人のアルバイト人間を描き切った内容だと納得。

読み終わり、日本社会において息せき切って人生を駆け抜けようとする「仕事過適応人間」の内面をも描いているのではないかとの感想を持ちました。

少し切なくなった読後でした。

西野内小代

 

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笹のいえ

落ち葉集め

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生ゴミ、畑の残渣、自分たちのおしっことうんち、ストーブやかまどの灰。

土に還るものは全て還してしまおうと思っている僕のリストには、当然、落ち葉も入っている。

しかも、一二年後には堆肥として利用できるのだから、これはもう考えただけでワクワクする。落ち葉を履けば、道路や側溝が綺麗になり、一石二鳥だ。

枯葉が道に降り積もっているのを見かけると、横を通るたび、もったいないなあ、誰か集めないのかなあと思う。そして、自分ちの周りの落ち葉を思い出し、早く集めなきゃと焦る。

放っておくと、落ち葉はそのうち消えてしまう(実際には腐葉土、つまり土に分解される)ので、時間を作っては、箒を持ち出して作業する。

どんなことでもそうだけど、やってみるといろんなことに気づく。

葉は乾燥しているより、少し濡れていた方がまとまり易く、風にも飛びにくいので、都合が良い、とか。すくうときは、雪かき用のスコップが便利で、小さな穴が空いているタイプならそこから小石が落ちてくれる、とか。

軽トラの荷台に積んで、堆肥置き場に積んだり、畑に入れる。

そこここに落ち積もっている枯れ葉だが、場所には気をつけないといけない。以前から集めている方がいらしたりするので、前シーズンから観察しておく必要がある。と言っても、笹に続く道の落ち葉を集めるだけで精一杯だけど。

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私の一冊

藤田純子

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「カンヴァスの向こう側」 フィン・セッテホルム 評論社

絵の好きな12歳の少女リディアは、ある日突然1658年のオランダ・アムステルダムにタイムスリップしてしまいます。

この本は美術史に基づいたファンタジーですが、リディアが出会うヨーロッパの画家たちの生活ぶりや人格が丁寧に描かれています。

フィクションとはいえ、史実に基づいているのでリディアの体験した出来事は画家たちとその作品をぐっと身近に感じさせてくれ、絵画への興味を引き出してくれました。

レンブラント、ベラスケス、レオナルド・ダ・ヴィンチ、エドガー・ドガ、ウィリアム・ターナー、ダリ。

これらの個性的な画家たちが登場します。

藤田純子

 

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とさちょうものづくり

パレットサインいろいろ作りました!

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うっかりすごい時間が経ってしまってお恥ずかしい限りなんですが、

パレットサインをたくさん作りました!

昨年の冬の入り口頃の話です。

パレットサインってなに?という方には、まず以下の記事を‥

パレットサインを作ろう! その2

 

というわけで、改めて廃棄寸前のパレットをたくさんもらって来ました。ちょっと欲張りすぎたか。。。

そしてシルクスクリーンの版を使用して、一枚一枚作ります。

今回作ったのは、

どんぐりとさちょうものがたり土佐町、そして土佐山アカデミーの4種類。

実際にやってみると、パレットに印刷するというのは布に印刷するよりも難しい。

シルクスクリーンは、「平面ならなんでも印刷できる(水の表面以外は)」というぐらい、インクを変えれば何にでも印刷できるようなシロモノなんですが、パレットがこう見えてきれいな平面ではなかったりします。ビミョーな段差がありますからね。

それでも多少のカスレや乱れは味のうち、とジャンジャン強行していきます。なんせパレット全てが廃棄前のリサイクル品なので、ここでサルベージしないことには燃やされる一歩手前なのです。粗くても使うベシ。

版をこうして固定して作ります

どんぐりの看板ができました

 

 

今回作ったパレットサイン、土佐町の置けるところ、置かせてもらえるところに少しずつ出していきます。いつか目に留まったら、「ああ、あれか」と思い出してくださいね!

 

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私の一冊

石川拓也

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「今日から俺は!!」 西森博之  小学館

あんまり説明することもないのですが、ぼくが中高生あたりで連載されていたヤンキー漫画「今日から俺は!!」。

最近ドラマになっていて「今頃!?」と思っていたのですが、チラッと見てみたらドラマも面白かった。マンガと同じところで笑いました。

これは田井のローソンで見つけて懐かしくなってつい買ったもの。

短ラン、長ラン、ボンタン、金髪‥‥通りで目が合えば「メンチ切った」と殴り合いとか、考えてみればとても不思議なこのカルチャーは現在の中高生には理解できるのでしょうか?

そういえば「今日から俺は!!」以外にも、「ビー・バップ・ハイスクール」「ろくでなしBLUES」「クローズ」「湘南純愛組!」などなど、80年代〜90年代はヤンキー漫画が豊作の時代でした。

完全に前田太尊気取りの同級生もいた記憶があります。彼にとっては黒歴史かも……笑

 

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