2023年9月

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

山門由佳

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「コッコさんのともだち」 片山健  福音館書店

いつも保育園でひとりぼっちのコッコさん。 恥ずかしがり屋さんで、うまく自分が出せないコッコさん。ある日、そんなコッコさんと似た者同士のアミちゃんに出会います。もじもじする2人が、自分たちの着ている服がおんなじ色なことに気づいて、お互いの服に触れあってそおっと手をつなぐところからはじまる2人の友情。

友情が生まれるときの初々しい喜び、どんどん仲が深まる楽しさ。でも、どれだけ仲良しでも仲違いする時もある。友達と遊ぶ楽しさをアミちゃんに教えてもらったコッコさん、2人だけの世界からみんなとも一緒に遊べる世界へ。 そんなちいさなストーリーが甘酸っぱくて、じんわり心温まる大好きな絵本です。

ちなみにコッコさんに似て?内弁慶な娘もこの物語には共感しているのでしょう、何度も何度も読み聞かせを頼まれます。

 

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メディアとお手紙

高知新聞 閑人調 10

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とさちょうものがたり編集部の鳥山が、2023年春より、高知新聞の「閑人調」というコラムに寄稿させていただくことになりました。
このコラムには数人の執筆者がおり、月曜日から土曜日まで毎日掲載。月初めにその月の執筆者の氏名が掲載され、コラム自体には執筆者のペンネームが文章の最後に記されます。

鳥山のペンネームは「風」。月に2回ほど掲載される予定です。

 

夏のお祭り

夏、 土佐町各地でお祭りが開かれた。ちょうちんの明かりのもと、よさこいや土佐町音頭といった盆踊り、りんごあめやかき氷などの夜店、花火も上がってとてもにぎやかだった。

お祭りの最後は抽選会。あるお祭りの抽選会では、ガラガラを回して出てくる木札に番号が書いてあり、その番号の抽選券を持つ人が景品を手にする。

景品はかなり実用的でクーラーボックスや町指定のごみ袋半年分、自転車、ビール1ダースなど。その 中で私が一番欲しかった物はすげがさだった。

土佐町に引っ越してきたばかりの頃、すげがさをかぶり田畑で働いている人を見た時は驚いた。時代劇や社会科の資料集で見たことがあったすげがさを実際に使ってみると、内側の五徳と呼ばれる輪っかに頭がはまって風通しがよく、顔にちょうどいい日陰を作ってくれる。

いよいよ次の景品はすげがさ。マイクを持った人が 声高にゆっくりと番号を読み上げた。残念ながら最初の数字から違った。番号を呼ばれて走っていったのは小さな男の子だった。
結局私は何も当たらなか った。 が、踊って笑ってとても楽しかった。お祭りを 大事にしている人がいるからお祭りは開かれる。そう感じた4年ぶりのお祭りだ った。

(風)

 

2023年9月7日、高知新聞の「閑人調」というコラムに掲載された記事です。今年の夏、4年ぶりに開催された夏祭りのひとコマを書きました。

夏の間、土佐町の各地で行われる夏祭り。どのお祭りでも盆踊りを踊り、夜店が出て抽選会があって花火が上がる。お祭りに合わせて帰ってくる人もいて、どこもわいわいと賑やかです。

この記事が掲載された後、ある方から「このお祭りは“野中祭”じゃないかねえ」と聞かれました。そうです、その通り!

野中祭の抽選会は「ガラガラを回し、出てきた木札の番号が当たり」というシステム。そのガラガラと木札の風情が最高なのです。当たった人が次の景品の当たり番号を出すため、ガラガラを回せます。未だあのガラガラに触れたことがない私、来年こそ回してみたい!そして願わくば、すげがさを手に入れたい!景品を選ぶ方々。来年の野中祭の景品の一品に、是非ともすげがさ入れてくださるよう、お願いいたします。

四年ぶりのお祭りに集った人が皆、とてもいい顔をしていたことが印象的でした。準備してくださった方々、ありがとうございました。

 

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土佐町の絵本「ろいろい」の原画展

約5年をかけて完成した土佐町の絵本「ろいろい」。完成を記念して、15枚の原画を展示します。

作画を担当した”絵描き”の下田昌克さんも来場!

10月15日(日)13:30から、下田さんのトークショーもあります!

 

会場:土佐町郷土学習センター 〒781-3401 高知県土佐郡土佐町土居437  Tel: 0887-82-1600
日程:2023年10月11日(水)〜18日(水) 開場時間:10:00~16:00
主催:合同会社 風 0887-72-9260  後援:土佐町教育委員会・土佐町郷土学習センター・高知新聞社・RKC高知放送
令和5年度第73回高知県芸術祭助成事業 「KOCHI ART PROJECTS 2023」

 

下田昌克さんは、2017年に初めて来町して以来、たびたび土佐町を訪れ、土佐町の絵本「ろいろい」は約5年間をかけて作画を完成させてくれました。

以下は、2017年に開催した「下田昌克とさちょうアート展」の模様です。懐かしい。。

 

表紙と裏表紙をシルクスクリーンで印刷したから、一冊一冊がオリジナル!

インクのグラデーションがそれぞれ違うので、同じものは二つとない絵本になっています。

 

10月15日(日)13:30~は、下田さんのトークショー。

絵本「ろいろい」制作秘話、苦労話などなどふだん話さないようなことも話します。

下田さんの在廊は10/14-15です。下田さんを会場でつかまえて絵を描いてもらいましょう!

 

土佐町の絵本「ろいろい」、今後は書店さんなどでの販売を予定していますが、正式な販売はこれからです。

会場では先行して絵本「ろいろい」販売します。(¥1,980-税込)

 

10/11~18、特に10/15(日)お待ちしてます!

みなさまのご来場を心よりお待ちしております!

 

*この事業は、令和5年度第73回高知県芸術祭助成事業 「KOCHI ART PROJECTS 2023」の一環です。

 

 

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4001プロジェクト

式地優貴・奈月・春陽 (相川)

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8月の暑い盛りに、相川の弁財天前でポストカードの撮影をさせていただいた時の写真です。

この時の写真は土佐町の広報の表紙にもなっています。

お父さんの式地優貴さんは、相川で牛を育てる若き牛農家さん。

まだ赤ちゃんの春陽ちゃんは、お母さんと一瞬でも離れると弾けたように泣き始めていましたが、お母さんとくっつくと、写真のように落ち着いた表情。母は偉大です。

 

 

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2024年カレンダー、作っています!

高知県の障がい者支援施設のみなさんと一緒に作るカレンダー、今回で4年目になりました。

土佐町や嶺北地域の方たちはもちろん、高知県内外のたくさんの方に購入していただいており、「あのカレンダーがほしい!」と楽しみにしてくれているお客さまも現れています。本当にありがたいことです。

 

フルカラー印刷です!

2024年のカレンダーはフルカラー印刷の予定です。今まで障がい者支援施設のみなさんに描いてもらってきた数字や文字やイラストはとてもカラフルだったのですが、赤と黒の2色で印刷していました。原画そのままを見たい!というお声を何人ものお客さまからいただき、2024年のカレンダーはフルカラーでいこうか!ということに。

今年は道端に咲いている「花」も使って制作しています。色とりどりのカレンダー、ぜひ楽しみにしていただけたらと思います。

 

サポートぴあさん(高知市)と作る

2024年のカレンダー、制作がスタートしています!8月17日、高知市の社会福祉法人 土佐あけぼの会 サポートぴあの皆さんと制作しました。去年から制作に参加してくださっている「サポートぴあ」さんは、高知市内にある就労継続支援B型事業所です。パソコンサービス等の社会活動を通し、就労に向けての準備をするための場所として、データや原稿の入力や、ホームページの制作等を行なっています。

早速、制作スタートです!

サポートぴあの施設長、武田さんも自宅の庭から花を摘んできてくれました。葉っぱや折り紙、クレヨンやマジックなどたくさんの材料を使って制作開始!

 

白いお花(タマスダレ)の背景には水色の折り紙を。ネコジャラシも使って作ったり。

 

何色ものクレヨンを指でこすってぼやかして…、

その上を黒いクレヨンで塗りつぶす。つまようじで削るように、数字を描きます。グラデーションが素敵です!

 

 

マジックで描いた数字の上に、うす紫色の粒々を丁寧に貼り付けていきます。この粒々は、ヤブランという花のつぼみです。

 

サポートぴあの皆さんは、じっくり丁寧に一枚一枚仕上げてくれました。「楽しかったです!」と言ってくれていたことが、とても嬉しかったです。フルカラー印刷で、数字や曜日の色がどのように現れるのか、とても楽しみです。

 

2024年のカレンダーの制作は、まだまだ制作は続きます!

2024年カレンダー制作 参加予定施設

● 就労継続支援B型事業所 りんどう  本山町

● 就労継続支援B型ワークセンター ファースト 大豊町

● やまびこ倶楽部  土佐町

● 障害者支援施設 白ゆり 香美市

● 社会福祉法人 土佐あけぼの会 サポートぴあ 高知市

● 高知県立山田特別支援学校  香美市

● NPO 法人 梼原竹ぼうきの会 梼原町

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Photography, Writing, Exploration!

The Green Oxalis Grow

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Outside of a Tosa-Cho apartment building, the green oxalis grow, through and around an old broomstick. This scene is sort of a small scale example of how human made inventions can coexist in harmony with nature.

 

土佐町のアパートの外、ホウキの柄の周囲に、緑のオクサリス(カタバミ)が絡み付いている。

この光景は、人間の制作物が自然と調和し共存できるという、一種の小さな具体例なのだ。

 

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とさちょうものがたりの雑誌、12号の発行です!

1年にだいたい2回来る雑誌発行の季節。「とさちょうものがたりZINE」の12号が9月20日に発行しました。

今号のテーマは『土佐町の絵本「ろいろい」』。

土佐町にも馴染みの深い”絵描き”の下田昌克さんと一緒に、約5年をかけて作った土佐町の絵本「ろいろい」の制作ストーリーや、絵本の各ページの細かい解説、そして障がい者支援としての表紙の印刷の現場レポートなど、まるまる一冊「ろいろい」のための号になりました。

01 土佐町の絵本の作り方

p06-07

 

第1章は『「土佐町の絵本」の作り方』。絵本を作ろう!と企画が立ち上がったものの、具体的にどうするの?というところからスタート。

下田さんと一緒に町の方々を訪れ、その考え方や生き方のお話を伺う。町にいま在るもの、昔あったもの、民話や伝説や風習など、様々なお話を聞かせていただきました。

その全てを誌面に表すことはもちろん難しいのですが、こんなところに行ってこんな人にお話を聞いた、そしてそれが絵本に結実していますという 大まかな流れを知って欲しくて設けた章です。

 

02 絵本「ろいろい」解説

p18-19

p26-27

 

第2章は絵本「ろいろい」解説。読んで字の如く、絵本「ろいろい」各ページの解説です。

「ろいろい」は表紙・裏表紙を除くと全部で15ページ。そのひとつひとつに、土佐町の場所との繋がりがあり、そこに生きる人々が描かれています。

絵本自体にも別に作った解説書が折り込まれていますが、やはりそれでは誌面が足りず、こうしてZINEのページを割いて解説を掲載しました。

土佐町の皆さんがよく知っている馴染みの深い場所が多く出てきます。というより馴染みの深い場所ばかりと言った方がいいかもしれません。

知っているあの人、見たことのある風景、体験したことのある行事。絵本「ろいろい」は、描かれている全てがそういった要素で構成されています。

 

03  表紙の印刷と製本は自分たちの手で

p46-47

 

これは絵本「ろいろい」の特徴のひとつ。地域の障がいのある方々の手を借りて、できる部分は自分たちの手で作りました。

その一つがシルクスクリーン印刷による表紙と裏表紙の印刷。

「とさちょうものがたり」が既に6年来取り組んでいるシルクスクリーン印刷は普段は衣類に印刷していますが、それを紙の印刷に応用。

もう何年も一緒に仕事をしている土佐町のどんぐりのメンバーさんと、大豊町ファーストの利用者さんの手で、全ての表紙と裏表紙が印刷されています。

一冊一冊が異なった色使いをしている絵本も珍しいと思いますので、どこかで絵本「ろいろい」の実物を見かけた際には何冊か見比べてみてくださいね。

 

配布は9月20日から

土佐町での配布は9月20日から始まっています。いつもの通り、皆様には各地区の地区会で配布されていることと思います。

土佐町外の方々へは、これから鋭意配布作業を進行します。いつもの如く、高知県内や全国の書店などにて配布が始まりますので、見かけたら一冊手に取ってみてください!

 

 

 

 

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とさちょう植物手帖

ハガクレツリフネ(葉隠釣舟)

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朝ドラ「らんまん」の放送が間もなく終わります。

さて、牧野富太郎博士由来の植物でこの時期に土佐町の山野に咲く花は…。ヤマジノホトトギスやヒヨドリバナ、いくつか思い当たります。

花が帆掛け船を吊るしたようなユニークな形のハガクレツリフネ(葉隠釣舟)もそうです。馴染み深くはありませんが、今月はこの花を記事にすることにしました。

葉の裏側に隠れるように花が咲くことからハガクレ、花の形からツリフネ、これが和名の由来です。

 

学名(※がくめい)はImpatiens hypophylla Makino。1911年に牧野博士が命名したそうです。

Impatiensというのはツリフネソウ属という属名のことで、インパチェンスと発音します。この呼び名、聞いたことがありませんか。園芸植物としてよく目にするアフリカホウセンカのことです。とてもポピュラーなホウセンカ(鳳仙花)も学名はImpatiensから始まります。

熟した果実に触れると一瞬にはじけて種子が飛び散ります。子供の頃にはそれが面白くてよくタネを飛ばして遊んだものです。どこにでもある花ですから多くの人がこの衝撃的な体験をしているのではないでしょうか。

Impatiensの直訳は「我慢できない」。つまり、熟した果実はちょっと触れられると我慢できずにタネが弾けてしまうという意味なのです。ハガクレツリフネの果実も少しの刺激で弾けるようです。

属名の次に来る単語を種小名と言います。hypophyllaは、訳すと「葉の下の」ということだそうです。博士は花が葉の裏に隠れるハガクレツリフネの特徴に食いついて学名を付けたということになるようです。

因みに学名を発表した1911年にはハガクレツリフネという名前が既に存在しており、牧野博士が和名を付けたわけではありません。

 

9月初旬、土佐町芥川の川沿いにある自生地へ行ってきました。まだ咲き始めたばかりでほとんど蕾ですが、開花した数少ない一輪に蜂が潜り込んでいました。長い口吻を持つマルハナバチの一種です。花の後ろ側に密をためる距(※きょ)があり、それを吸いに来ているのです。

 

一昨年は満開に近い状態に出くわしましたが、時期が今年より遅く9月下旬のことでした。今年もこれから徐々に開花の数を増やしていくことでしょう。

余談ですが、ハガクレツリフネに似た花を2種紹介します。

いずれも牧野博士ゆかりの植物ではないようですが‥

 

キツリフネ(黄釣舟)

花の色は真っ黄色、ハガクレツリフネのように葉の下に花がぶら下がります。

学名は Impatiens noli-tangere。種小名のnoli-tangereの訳は「触るな」。果実はすぐに弾けるからうっかり触るなという意味になりそうです。

写真は土佐町和田で撮影しました。

 

ツリフネソウ(釣舟草)

花は濃い紅紫色。他の2種とは異なり花は葉の上側へ飛び出ます。

土佐町では自生が確認されていません。写真は10年ぐらい前、仕事中に岐阜県の山中で撮影したものです。

 

※学名(がくめい):ラテン語で表記される世界共通の名前のこと。植物の場合、属名・種小名・命名者名等の順で列記することになっている。

※距(きょ):花の後側へ細長く突き出た部分のこと。内部に密腺を持つものが多く虫媒に関係している。スミレなどにもある。

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読んでほしい

地鎮祭

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2023年6月27日、土佐町の藤田千春さんが新築する家の地鎮祭が行われました。

地鎮祭は、建物の新築や土木工事の起工の際などにその土地の神様を祀り、工事が安全に進んで無事に完了すること、土地や建造物が末長く安全であることを祈願するために行われるお祭りです。

敷地内に立てたテントの四方に竹を立て、しめ縄で囲みます。神様に来ていただく神聖な場、神域を作るためです。

 

降神の儀(こうしんのぎ)

神主は白髪神社の宮司である宮元序定さん。参列者は施主の藤田千春さんと大工の森岡拓実さんです。

施主の千春さんは、拓実さんが大工になったばかりの頃から、自分の家を建てる時が来たら拓実さんにお願いしたいと思ってきたとのこと。それがいよいよ実現するという訳です。

祭段に神様をお招きするための「降神の儀(こうしんのぎ)」。

宮元さんが地鎮祭の神様について教えてくれました。この神様たちにこの家の完成を見守ってもらえるように、そして大工さんの安全と施主さんが安心して暮らせるように祈願するそうです。

○白髪の神…氏神様
○大地主(おおことぬし)の神…大地の神様
○家船二柱(やふねふたはしら)の神 …夫婦神で家屋の神
○手置帆意(ておきほおい)の神…技術の神

宮元さんが太い声でゆっくりと「お〜 お〜 お〜」と唱えます。静寂の中に響く声。神様の存在を感じるひとときです。

 

祭段には、お米や御神酒、昆布や野菜やお菓子などが供えられています。

 

四方祓い(しほうはらい)

鬼門と言われる敷地の北東から右回りに、四方を順番に祓います。「四方祓い(しほうはらい)」といいます。鬼門とは、日本では古来より鬼の出入り方角であるとして忌むべき方角とされています。

宮元さんが袂より小さく四角に切られた切麻(きりぬさ)を握って、左、右、左へとお祓いします。切麻は、はらはらと地面に落ちていきます。この土地を祓い清め、工事をする人などに災いが生じないように、という願いが込められています。

 

玉串奉奠拝礼(たまぐしほうてんはいれい)

施主の千春さんが、宮元さんから手渡された玉串を神様に捧げておまいりします。これを「玉串奉奠拝礼(たまぐしほうてんはいれい)」といいます。玉串とは神様が宿るとされる榊(さかき)の枝に、紙垂(しで)や麻を結びつけたものです。

 

大工の拓実さんも神様へ玉串を捧げます。これで安全に家の建築が進んでいくことでしょう。この土地の神様が守ってくれるはずです。

 

白髪神社秘伝の「鎮め物」

地鎮祭の最後に、宮元さんが手渡していたものがありました。白髪神社秘伝の「鎮め物」です。麻のひもで結ばれており、大地の神様の心を鎮めるためのもので、置いておくだけで目に見えない煩わしいものから家を守ってくれるそうです。

昔の家は高床式だったので土中に。現代では、鎮め物は基礎のコンクリートの中央に置き、家屋とその土地のお守りとされています。鎮め物は、大工の拓実さんに手渡されました。

 

地鎮祭が終わったあと、拓実さんがテントの四方に立てていた竹をまとめ、敷地の鬼門、北東側に立てかけていました。こうすることで鬼門から災いが入ってこないようにするそうです。

 

日本では古来より、たくさんの神様がいると信じられてきました。あらゆる現象や、太陽や月、風や家の台所などまで、存在するすべての物事に神が宿っていると考え、無数の神々を「八百万の神(やおよろずのかみ)」として崇めてきました。

地鎮祭で宮元さんが唱えていた祝詞に「八百万の神」という言葉がありました。

家の神様、太陽の神様、月の神様、風の神様、この土地の神様…。どうかこの地の神様たちが、この家と、この家に集う人たちを見守ってくださいますように。その願いが言霊となって、あたりに響いていました。きっと神様たちは心得てくださっている。そんな気持ちがしました。

 

9月現在、工事は安全に順調に進んでいます。千春さんの家は今年の冬に完成予定です。

 

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順調に制作中!

毎年年末に販売している「みんなのカレンダー」、2024年版も現在順調に制作中です。

このカレンダーは高知県内8つの障がい者支援施設と協働で制作、県内外の店舗やネットショップなどで販売しています。

障がいのある方々が自由な発想で作った数字や文字で一冊のカレンダーを作ろうというこの試み。今年もすでに半分以上の施設での制作が済んでいます。

上の写真は制作中の途中経過。高知県内の野の花や草を使って、ハッピーでカラフルなカレンダーに仕上がりつつあります。今年はフルカラー!

 

制作中のひとこま

現在進行中のカレンダー制作現場からのひとこま。みなさんが夢中になって作っている様子を見ると、今年のカレンダーも良いものになるという予感がひしひしと感じられます。

 

高知県立土佐山田特別支援学校(香美市)

就労継続支援B型ワークセンター ファースト(大豊町)

障害者支援施設白ゆり(香美市)

障害者支援施設白ゆり(香美市)

就労継続支援B型事業所 りんどう(本山町)

 

今年の参加施設

● 就労継続支援B型事業所 りんどう  本山町

● 就労継続支援B型ワークセンター ファースト 大豊町

● やまびこ倶楽部  土佐町

● 障害者支援施設 白ゆり 香美市

● 社会福祉法人 土佐あけぼの会 サポートぴあ 高知市

● 高知県立山田特別支援学校  香美市

● NPO 法人 梼原竹ぼうきの会 梼原町

● 社会福祉法人一条協会 四万十工房・ごり工房 四万十市

 

今年の参加施設は、昨年からさらに広がり、高知県内多様な地域に渡る8施設。本日時点(2023年9月15日)で、6施設での制作が完了しています。

 

 

クラウドファンディング挑戦中!

この記事の本題! 制作4年目の今回、初めてのクラウドファンディングに挑戦しています。

●プロジェクトページから

このプロジェクトの目的は、

①販売冊数の増加‥このCFで販売することで、実売数を伸ばしたい。

②周知・宣伝効果‥このカレンダーの取り組みを、高知や四国に限らずたくさんの方々にも知ってほしい。

③協賛の募集‥今回からの新しい試み。10部以上ご購入いただいた企業様や商店様(個人も可)のロゴをカレンダーに掲載します。50部以上ご購入いただけるとページトップの一番目立つ位置に大きくロゴを掲載させていただきます。広告宣伝・イメージ戦略の一環としてご理解いただけたらぜひご協力をお願いします!

 

これらの目的が実現することで、販売数が増える→制作してくれた障害者支援施設の皆さんの収入増にもつながります。

カレンダーの売上のうち、一部あたり200円が施設数で均等に分配され、各施設に支払われる仕組みになっています。応援していただいた分、各施設へ支払われる金額も増え、制作してくれた皆さんの工賃が増えることにもつながります。

 

 

ロゴ・お名前掲載します

応援していただけたら、そのお礼として、カレンダーのページに個人の方・企業・店舗のお名前やロゴを掲載します。

高知県内の8つの障害者支援施設の皆さんと作った「みんなのカレンダー」を、わっしょいわっしょい!という感じで、多くの方に応援していただけたらとても嬉しく思います。

 

みんなの「みんなのカレンダー」

今年で4年目の制作になる「みんなのカレンダー」。数字や曜日を制作してくださっている障害者支援施設の皆さんが、制作を終えると「すごく楽しかった!」と言ってくれています。

色々な色、形、大きさ。ユーモア溢れるものや「ん?」と考えさせられるもの。全数字、全曜日がオリジナル!つい忘れがちですが、私たちの毎日はオリジナル。毎日、毎日、違う日々。このカレンダーを眺めながら、時々そういったことも感じていただけたらいいなと思っています。

「みんなのカレンダー」が、よりたくさんのみんなに愛されるものとなるよう、願っています。

クラウドファンディングの応援、どうぞよろしくお願いします!

 

 

 

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