2023年9月

 

 

山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。

人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。

土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?

みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!

(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)

私の一冊

西野内小代

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「最強脳」 アンデシュ・ハンセン 新潮社

「日本の読者の皆さんへ」と題された最初のページで、この本は親子で読めるように書いた、脳の取り扱い説明書と、紹介されています。

最強脳の行く末は「ドーパミン」と呼ばれる神経伝達物質にかかっている。ドーパミンとは、何に注目し、集中すれば気分を良くしてくれる「ごほうび」が得られるのか、を教えてくれる物質。SNSでの「いいね!」もドーパミンにより、脳から小さな「ごほうび」がたくさんもたらされる、ここにもスマホ依存の原因が隠されている。

衝動を抑えたり、ブレーキをかけたりする脳の部分(前頭葉)は25歳くらいになってから完成する。しかし、ドーパミンのシステムなどは子供の頃にはすでに機能している。

つまり、10代の子供は、ごほうびに非常に弱い、ここが子供や若者がスマホの餌食になってしまう理由。納得のいく分析、恐ろしくなってくる。

この本の結論は「運動をしよう」…。そうすれば脳は確実に強くなる。根拠は運動する事によりドーパミンの分泌が促され、生命活動を活性化するからだそうです。

 

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メディアとお手紙

高知新聞 閑人調 9

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とさちょうものがたり編集部の鳥山が、2023年春より、高知新聞の「閑人調」というコラムに寄稿させていただくことになりました。
このコラムには数人の執筆者がおり、月曜日から土曜日まで毎日掲載。月初めにその月の執筆者の氏名が掲載され、コラム自体には執筆者のペンネームが文章の最後に記されます。

鳥山のペンネームは「風」。月に2回ほど掲載される予定です。

 

ろいろい

制作に5年をかけた絵本がついに完成した。土佐町をテーマにした絵本で、題名は「ろいろい」。「ろいろい」は土佐弁で、うろうろするという意味だ。

蛇腹式でひとつながりになっているページをのばすと、主人公が歩く道々で出合う四季の風景や行事、歴史や言い伝え、町の人の姿が描かれている。

絵本に何を描くのか?制作チームから出てきたのは町の日常の風景だった。お祭りや棚田や街並み、神社や川や星空、そして町の人。「昔はボンネットバスが走っちょった」「田の草取りに背蓑(せみの)は欠かせない」「もちまきも!」。町の今昔が描かれ、登場する物事はこれからもこの町にあってほしいという願いでもあった。

この絵本を制作するにあたり、町の方たちに大変お世話になった。昔の写真を見せてもらい、各地の風習の意味を教えてもらった。解説書も作り、伝統行事の歴史的背景や言い伝えを詳しく書いた。稲叢山の桜、虫送り、かじ蒸し…。

これらの風景画あるのは、この地で生きてきた先人たちがいたからこそ。だから今の私たちの暮らしがある。そのひとつながりの中で私たちは生きている。絵本を通し、そのことが少しでも伝わればうれしい。

(風)

 

2023年8月23日に高知新聞に掲載されたコラム「閑人調」です。「とさちょうものがたり」でも紹介している土佐町の絵本「ろいろい」のことを書きました。

ここにも書きましたが、絵本「ろいろい」が完成したのは町の方たちのおかげです。本当にたくさんの方にお世話になりました。土佐町の今昔の話を聞かせてもらい、昔の写真を見せてもらい、資料をお借りしたり、たくさんのご協力があったからこそできた一冊です。

絵本のページをめくり、家族や友人との会話のきっかけになれたら嬉しく思います。そして、町の今昔の姿を知ることで、次の世代へ引き継いでいこうとする思いに少しでも繋がればと願っています。

もうすぐ販売も始まります!この絵本の舞台は土佐町ですが、どこに住んでいようと共感してもらえる内容になっていると思います。町の方たちや町内外の方たちに愛される一冊になりますように。

 

土佐町の絵本ろいろい ①

 

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私の一冊

古川佳代子

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「挑発する少女小説」 斎藤美奈子 河出書房新社

子どもの頃に出会ってから何度も何度も繰り返し読んでいる『赤毛のアン』や『あしながおじさん』『若草物語』などなど。これらいわゆる翻訳少女小説のどこに惹かれ、今に至るまで飽きることなく読み返しているのか?我がことながら不思議に思っていたモヤモヤに、合点のいく見解を示してくれたのがこの本でした。

本書では9作品が取り上げられていますが、それぞれに曰く、シンデレラ物語を脱構築する『小公女』、異性愛至上主義に抵抗する『若草物語』、出稼ぎ少女に希望を与える『ハイジ』、生存をかけた就活小説だった『赤毛のアン』、社会変革への意思を秘めた『あしながおじさん』、とまったく想像もしなかったキャッチコピーが充てられています。けれども読み解けば、どれも納得のコピーばかり。

不自由な環境の下に置かれ、理不尽な理屈やモラルを押し付けられてもそれに屈せず、己の才能と矜持を武器に健気に戦っていたアンやジュディ。「子どもだから、女だからって見くびられちゃダメよ!」という彼女たちからのメッセージに励まされ、慰撫してもらった子ども時代のなんと幸せだったことか。頭を上げ、明日を見据える凛々しいジョーやローラのまなざしに負けない自分でありたいものですが、さて?

 

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笹のいえ

九月を迎えて

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九月になった。

夏休みが終わっても、子どもたちはまだ遊び足りなそうだし、学校組が久しぶりの登校準備でバタバタしているのを見ていると、彼らはもっと夏休みが続いてほしいと思っているだろうな、と思う。でも、僕は8月が終わって心底ホッとしてる。

今年は僕にとって、長い夏だった。

夏休み前から上のふたりは小笠原に旅に出掛けた。帰ってくるとすぐに「笹の夏休み」がはじまり、今年もたくさんの小学生たちが遊びに来てくれた。そのあと息つく間もなく、土佐町と交流のある青森県十和田市の小学生の受け入れがあったり、地域のイベントであるレイホクゴロワーズ(注1)やとさっ子タウン(注2)へ参加したり、と毎日のようにあちこち出掛けていった。これらのイベントに親が参加することはなかったが、それでも送迎やらその間の下の子たちの相手やらがあるし、その間も田畑や鶏の世話、草刈り、そしてもちろん家事もいつもどおりある。

日々の暑さにも辟易としていた。

ある日少し無理をして炎天下で草刈りしたら熱中症の手前になってしまったらしく、珍しく熱が出た。二日ほど寝てなんとか復活したが、仕事は二日分遅れた。加えて台風などの影響で雨が多く、予定通りに進まない。そんな気の焦りもあって、心がいつも落ち着かない状態が続いた。もうくたくただった。

それでも、できることをコツコツやっていると、そのうち朝晩は涼しくなり、日中の殺人的とも思えた太陽の日差しが穏やかになり、草の伸びもいっときの勢いはなくなった。自然はうまくできてるなと思う。

なんだか愚痴のようになってしまったけれど、もちろん喜びもたくさんあった。

ひとりバスに乗って福岡県の友人に会いに行った長男、笹を訪れたお兄ちゃんお姉ちゃんたちと交流したことでグンと成長した感のある次女と三女、まだまだ幼いと思っていた次男は習っているソフトバレーボールのリーダーに抜擢された。長女は小屋で飼いはじめた鶏の世話をよくしてくれる。それぞれできることが増えて、みな頼もしい限りだ。一緒に過ごす時間が長い夏休みだからこそ、彼らの心身の変化も身近に感じられた。

新学期がはじまって一週間が経ち、子どもたちから「夏休み気分」が少しずつ抜けてきたようで、ペースを取り戻しつつある。親も夏の余韻をまだ暮らしのあちこちに感じながら、次にやって来る季節への準備をする。でもまあたいていは間に合わないので、僕らなりにできることを無理せずコツコツやっていこう。

 

写真:夏休み終盤には親しい家族たちと徳島県海陽町へキャンプに行った。広い砂浜と空に、山育ちの子どもたちは大興奮だった。

 

注1:レイホクゴロワーズ 嶺北の自然の中で行う二泊三日のアドベンチャーレース。ラフティングやマウンテンバイクなど、様々なアクテビティーを子どもたちが協力しながらクリアしていく。

注2:とさっ子タウン 高知市内施設内に二日間の架空の町が出現し、コミュニティ運営を体験する。

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くだらな土佐弁辞典

たまるか

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たまるか

【意】まぁ! 、  わあ!

 

例:たまるか!こんなに太いのもろうて!(わあ!こんなに大きいのもらった!)

 

 

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私の一冊

西野内小代

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「しあわせの小径」 YOH  Shomei 日本標準

詩人・画家・絵本作家の「葉 祥明」さんの心に染み入る作品集です。

ページを繰る毎に幸福度が高まっていく。

パッと開いたページを読む、豊かで穏やかなフワフワした空気に全身がくるまれる。

立ち止まり、脳にたくさんの新鮮な空気を送り込みたくなる。

 

 

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メディアとお手紙

高知新聞 閑人調 8

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とさちょうものがたり編集部の鳥山が、2023年春より、高知新聞の「閑人調」というコラムに寄稿させていただくことになりました。
このコラムには数人の執筆者がおり、月曜日から土曜日まで毎日掲載。月初めにその月の執筆者の氏名が掲載され、コラム自体には執筆者のペンネームが文章の最後に記されます。

鳥山のペンネームは「風」。月に2回ほど掲載される予定です。

 

川で泳ぐ

青く澄みきった川。アユやアメゴの泳ぐ川。岩の上からザブンと飛び込むと耳元で水の粒がはじけ、暑さでぼんやりした身体が一気に目覚める。

高知に来るまで川で泳ぐなんてしたことがなかった。せいぜい足を水につけたり、網で魚を捕まえるくらい。川へ行って遊ぶことは、1日がかりの特別なイベントだった。

ところが今は「今日も暑いなあ。川行くか!」。タオルとゴーグル片手に近所の川へ。2時間ほど泳いで気分爽快。川はとても身近な存在になった。

私のお気に入りの場所は、飛び込める岩や子どもが遊べる浅瀬があり、木漏れ日がきらめいて小指ほどの魚たちが泳ぐ。セミと小鳥の鳴き声、水のせせらぎ。大きく息を吸い込んで水に潜れば、小さな悩みのあれこれは、まあいいかと思えてくる。

ただ7月下旬から「テジロ」と呼ばれるアブがブンブン寄ってくるのには参る。手足が白くハエのような風貌できれいな川にいる。血を吸うのでかわの吸血鬼と呼ばれ、水面から出た手足や顔の周りをしつこく飛び回り、とても厄介だ。

でも、逃げ回ってばかりもいられない。手でたたき、ひっくり返ったテジロを魚の餌となれとばかり、川へ投げるようになった自分に成長を感じている。

(風)

 

2023年8月4日に高知新聞に掲載されたコラム「閑人調」です。タイトルは「川で泳ぐ」。

夏、子どもたちに何度も「川に行きたい!」とせがまれます。そう言われたら「よっしゃ、川行くか!」といそいそと水着に着替え、タオルとゴーグルを持って、近所の川へ。車で10分もしないところに、お気に入りのきれいな川があるなんて、なんて幸せなことでしょう。

岩から飛び込んだり、浮き輪でぷかぷか浮いたり、浅瀬に座ってぼんやりしたり、満足するまで遊んだら、家に帰ってアイスを食べる。これ、最高。

本当は、夏休みの間ずっと川で遊びたいのに7月下旬からはテジロが出現。いつも行く川にテジロが出ると、もっと川の下流で泳ぎますが、やっぱりいつものあの川が最高だなと思うのです。

 

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私の一冊

古川佳代子

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『銀座「四宝堂」文具店』 上田健次 小学館

銀座の片隅にある老舗文具店「四宝堂」。創業は天保五年(1834年)と歴史ある文具店の現在の店主は宝田硯。まだ三十代半ばと若いながら、文具を愛することと客への気配りは、誰にも引けを取らない銀座の名物店主です。

第一話「万年筆」は、親に代わってずっと慈しんで育ててくれた祖母のため、初任給で求めた贈り物に一筆添えようと店を訪ねた青年が主人公のお話しです。店主に案内された棚には、手漉き和紙や押し花を漉き込んだ洒落たもの、粋な洋箋や封筒がぎっしりと並んでいて目移りするばかり。店主に助言をもらってなんとか便箋と封筒を決めた青年が取り出したのは、まだ一度も使ったことのない万年筆。それは

小編5編が収められているのですが、客と文具をめぐる人情味あふれるエピソードはどれも味わい深く、読後感は申し分ありません。

夏の暑さも峠を越し、読書によい季節となってきました。秋の夜長のおともにいかがでしょうか?

 

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今年は11kmのトレイルレース!

例年11月に開催される「さめうらの郷湖畔マラソン」が、今後7年間に渡るさめうらダム堰堤の大規模工事のため、今年から「さめうらの郷湖畔トレイルレース」になります!

というわけで、2023年11月12日(日)に開催が決定した「第1回さめうらの郷湖畔トレイルレース」。500人の参加ランナーの募集が始まっています。

 

 

大会公式ホームページ

募集締め切りは10月1日(日)。たくさんのランナーさんの参加をお待ちしております!

 

というわけで、「第1回さめうらの郷湖畔トレイルレース記念Tシャツ」作ります!

 

 

図柄はさめうらダム周辺の地図=等高線を背景に、記念すべき第1回の大会名をその上に印刷しています。

これは昨年の「さめうらの郷湖畔マラソン」で制作した背景部分を引き継ぎ、黒インクの大会名の部分をリニューアルしたデザイン。

「さめうらの郷湖畔マラソン」から「さめうらの郷湖畔トレイルレース」へのバトンタッチ!をTシャツのデザイン上でも行いました。

● 障がい者支援

このTシャツは「とさちょうものがたり」が取り組んでいるシルクスクリーン印刷による手作業で制作されます。

印刷作業を担当するのは、土佐町近隣の障がい者支援施設(土佐町どんぐり・大豊町ファースト・本山町りんどう)の利用者の方々。売上の一部は施設の作業代として支払われます。

Tシャツのご購入が、そのまま障がい者支援になる仕組みになっています。

シルクスクリーン印刷・作業中の図

 

 

●サイズ

感覚的には少し大きめサイズです。XXL以上はinfo@tosacho.comまでお問い合わせください。

 

● 素材:吸水速乾のドライ素材

● カラー:オレンジ

●価格:¥2,970-(税込)

●お申し込みは大会参加のお申し込みと同時にお願いいたします。

●Tシャツの受け渡しは大会当日・受付にてお願いいたします。

 

記念すべき第1回のこのトレイルレース、そしてこの大会以外では販売していない記念Tシャツ。たくさんのランナーさんの参加・ご購入をお待ちしております!

 

 

 

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くだらな土佐弁辞典

ようばん

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ようばん

【意】〜する必要はない

 

例:お礼にはようばん。(私に対してお礼の必要はありません)

 

 

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