「悲しき熱帯 Ⅱ」 レヴィ=ストロース 中央公論新社
「世界は人間なしに始まったし、人間なしに終わるだろう」
近現代の文化人類学の礎を築いたと言われているレヴィ=ストロースの名著。
本筋は1930年代にレヴィ=ストロースが行ったブラジルの少数民族を訪れる旅の紀行文。
ただ話はあっちへいったりこっちへいったり。原初の人類や森の中の民族、世界についての思索のあれこれは、のちに構造人類学と呼ばれ、人文科学へ大きな影響を与えます。
個人的には、フランス人っぽいレヴィ=ストロースのドライで静かな語り口がとても好きですが、やはりフランス人っぽい独特な回りくどい言い方もあって面白いところです。