「正欲」 浅井リョウ 新潮社
町立図書館の時久さんが「読みたい希望の本があれば採用されるかもしれませんよ」と声かけをしてくれていたので、申し込みをしてみました。
連絡をもらって最初の借りてです。「次の予約が入ってますので貸し出し期間を過ぎないようにお願いします」と言われて、次の借り手がいることに、ホッとしたことでした。
本を読み終えて、言葉に浮かんだのは「深~い!!」でした。幸せには色んな形があって、家庭や子どもを持たない人、事実婚、同姓婚、ポリアモリー、アセクシャル、ノンアセクシャルといわれても、そのカタカナ名の意味さえわからず、スマホで調べてみました。
はじまりは、児童ポルノ摘発、自然豊かな公園で開催されていた小児性愛者たちの“パーティ”…。
実は違うのです。水遊びをしている子どもたちの水にたわむれる姿。彼らはその水を楽しんでいたのです。ほとばしる水にしか興奮しないのです。
彼らは生まれ持った、自分らしさに対して堂々としていたいなんて、これっぽっちも思ってない。せめて明日生きていけるように、生きのびるために、孤独な魂がよりそっていく。
表面に見えるものでしか理解しえない、想像力の外側にあって、深いと思えたのでした。