「フラッガーの方程式」 浅倉秋成 KADOKAWA
数学の公式を紐解く物語を類推させるタイトルですが、全く無関係。
フラッガーシステムとは「誰もが現実において、物語の主人公になれるシステム」であって、フィクションを現実世界に取り込むプロジェクトのことらしい。
ある日、このフラッガーシステム開発プロジェクトの村田静山という男性に帰宅部の男子高校生がスカウトされる。そして、その申し入れを安易に受け入れてしまったばかりに彼の大混乱の一か月が始まる。
読み始めは支離滅裂のギャグテイスト、理解不可能だった。ひたすら我慢して読む。
無秩序のように思えた数々の事件が、実は重要な伏線だった。最後はきっちりと伏線を回収し着地する。
一風変わった構成ではあるが、後半は不可解な世界に引き込まれてしまう。不思議な本だった。