
手に持っているのはタラの芽。小さいものから大きいものまで抱えきれないほどたくさん。
お世話になっている農家さんから、イタドリをたくさんいただいた。軽トラックの荷台にいっぱい、多分100本以上はある。
「わあー!すごい!」としか言いようのない量だ。葉はとてもみずみずしくて、ついさっき取ってきてくれたんだなあと分かった。
これで今晩のやるべき仕事が決定した。
イタドリ!
イタドリは高知県民が大好きな山菜のひとつ。田んぼの畦や山の斜面に生えている。隣の香川県の人は食べないらしく、香川県までイタドリを取りに行くという人の話を聞いたことがある。
イタドリはそのまま食べると、非常に酸っぱい。以前試しにかじったことがあるが、それ以来生ではかじったことはない。この酸っぱいものをなんとか美味しく食べようとした人たちに心からの敬意をお伝えしたい。
イタドリ!イタドリ!
イタドリを食べるために、皮を剥ぐ。これが今晩の仕事である。
根本から先端に向けて剥ぐ。皮をスーッと剥いで、内側のみずみずしい面がその一回で現れる時は非常にうれしく、やる気に満ちる。やる気がやや削がれるのは、皮を剥いでも「薄皮が一枚残る」感じになる時。あー、残念…と少しがっかりする。でもこれもれっきとしたイタドリだ。負けずに包丁で丁寧に剥ぐ。

太いもの細いもの、新緑のような色やむらさきかがったもの、皮を剥ぎやすいもの剥ぎにくいもの。イタドリにも一本ずつ個性がある。
イタドリ!イタドリ!イタドリ!
スムーズに皮を剥ぐために「日に当てた方がいい」「適温でさっとゆがくといい」など、それぞれの人が自分にとっての良い方法を持っている。
イタドリは皮を剥いだからといって、すぐに食べることはできない。すぐに食べたらものすごく酸っぱい。
皮を剥いだイタドリは塩をまぶしてしばらく放置する。しばらくすると薄いむらさき色の水が出てきて、しんなりしてくる。多分この時にイタドリの酸っぱさが抜けているんじゃなかろうか。
私は塩をまぶした次の次の日くらいに、使いたい分だけ取って、水を張ったボールに浸ける。しばらくすると水はきれいなむらさき色になる。水を代えてまた浸ける。水が透明になるまで繰り返していくと、酸っぱさが抜ける。

塩をまぶして半日後。うっすらむらさき色の水が出ている
こういった過程を経て、はじめてイタドリは食べられる状態になる。
食べやすい大きさに切って、油でさっと炒め、砂糖と醤油で味付け。コリコリした歯応えが最高で、油揚げやカツオぶしを入れても美味しい。
これは私が大好きな料理のひとつ。これを作るために私はせっせと皮を剥ぐ。(もし他にもおすすめの料理があれば教えてください!)
大量のイタドリが到着してから、毎日皮を剥いでいる。が、まだ仕事は終わっていない。
今晩も明日も、多分明後日も、イタドリの皮剥ぎは続く。



