「長宗我部」 長宗我部友親 バジリコ
野本先生(土佐町中学校)の幹勇記念館でのお話を拝聴し、しまってあったこの本を引っ張り出し再度読み直してみました。
時には類推も入りますが、筆者が中興の祖「元親」の弟の末裔という事もあり、思い入れ強く系譜を丹念に辿っていく構成となっています。
血筋を絶やさない事を宿命として背負い、ひたすらに生き抜いてきた名門の誇りを感じます。
嶺北地方と深く関わる一族ですから一読をお勧めします。
西野内小代
著者名
記事タイトル
掲載開始日
山の人、町の人。先祖代々住む人、都会から越してきた人。猟師さん、農家さん、森の人、職人さん、商店さん、公務員…。
人口4,000人弱の土佐町にはいろいろな人がいて、いろいろな人生があります。
土佐町のいろいろな人々はどんな本を読んでいるのでしょうか?もしくは読んできたのでしょうか?
みなさんの好きな本、大切な本、誰かにおすすめしたい本を、かわりばんこに紹介してもらいます!
(敬称略・だいたい平日毎日お昼ごろ更新)
「アグルーカの行方」 角幡唯介 集英社
第35回講談社ノンフィクション賞を受賞。
「空白の5マイル」「雪男は向こうからやって来た」「極夜行」「アグルーカの行方」。この4冊でノンフィクション部門での賞をほぼ全て手にしているそうです。
1845年にジョン・フランクリン率いる探検隊129人全員が北極圏で死亡した。同じ風景を体験しようと計画された彼らと同じルートを辿る60日間の旅の記録です。
今回の探検も壮絶極まりないエピソード満載です。
「アグルーカ」とはイヌイットの言葉で「大股で歩く男」を意味するそうです。
元ジャーナリストらしい丹念な事前調査、資料の収集そして探検家としての豊富な知識に裏打ちされた作品です。
西野内小代
「雪男は向こうからやって来た」 角幡唯介 集英社文庫
「私の一冊」で既に紹介させていただいた「空白の5マイル」「極夜行」の作者の作品で、第31回新田次郎文学賞を受賞しています。
雪男の捜索隊に誘われ参加した時の記録です。
女性として初めてエベレストに登頂した「田部井淳子さん」も雪男を目撃した登山家の一人だそうです。
雪男の足跡を撮影した登山家等丁寧に取材を重ね、その上で調査隊として、更にもう一度個人として納得のいくまで雪男の痕跡を探し求めた記録です。
最後まで期待を裏切らない展開でまとめられており、偉大な探検家たちの苦悩についての掘り下げにも手を抜いていません。
果たして雪男の痕跡は見つかるのか…?
西野内小代