笹のいえ

笹のいえ

あめかぜ

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

集落で夕方前のBBQ。

無風で蒸し暑かったこの日。

「ぬくいねえ」と話していた矢先、涼しい風が木々の枝を震わせながらザッと通り過ぎた。

男衆数名が空を見上げ、ひとりが「あめかぜだ」と言った。

あめかぜは、雨を運んで来る風。

その風に乗って、動きの早い雨雲が青空を覆いはじめてる。

これから雨になるかも。いや、この風ならもっと下(しも)の方だろう。と口々に話す。

地域のひとと付き合っていて感心するのは、
例えば風雲の動きや花の咲く時期、生き物たちが出すちょっとした音などに対して、
彼らが自然にしかも素早く反応していることだ。

たくさんの恵みを与えるが、読み間違えると命を落とす危険も潜む自然と寄り添う暮らし。
生き抜く知恵が、代々積み重ねられた経験と共にいまを生きる人たちの中に集積されている。

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
笹のいえ

今日のおかず

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

 

畑で大豆から育てた大豆の甘煮。

大豆はコトコト薪火で4、5時間水煮します。

「豆をコトコト煮てる時間が好き」とかではないので

大きな薪を放り込んで放置しちゃうから時間も火加減も適当ですが。

豆が柔らかくふっくらしたら煮豆にする分だけ小鍋に移して

残りは冷ましてから冷凍しちゃいます。

解凍すればすっと大豆料理ができてとっても便利な冷凍大豆の水煮。

冷凍食品だけど大豆を作って乾燥させて選って煮てって考えると手間と時間がだいぶかかってるうちの水煮大豆。

ボリュームも出るし肉や魚の苦手なわたしには大事なタンパク源。そして野菜の少ない端境期なんかはめちゃくちゃ重宝します。

さて小鍋に移した大豆には少々の素焚き和糖と醤油を入れて味付けします。仕上げに米飴を加えて煮詰めたら出来上がり。

素朴な甘みの大豆煮です。

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
笹のいえ

ひとりばえ

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

こぼれ種が発芽してそのまま育つ野菜を、地域の人たちは「ひとりばえ」と呼ぶ。

人間の力を借りずに、野菜が自力で生えてくるからそんな名前なんだろうと推測するけど、
高知に来る前は聞いた覚えがないので、地域限定の表現かもしれない。

笹のいえでは、その辺で種を選別したり、食べ終わった野菜をポイっとすることがあるので、そのまま種が残り、
意外なところで意外なものが育っていたりする。

草の中で見つけた小さな苗は、何科の野菜かくらいは見当が付くけれど、品種まではわからない。
そういえば、去年この辺で傷んだトマトを捨てたな、とか、スイカの種を飛ばしたな、とか遠い記憶を辿る。

手塩に掛けて育てた野菜たちが虫や病気で元気が無いときでも、
雑草に囲まれる厳しい環境で逞しく育っていくひとりばえは、生命力に溢れ大きく育つことが多い。
この環境に適した遺伝子を持っていそうだから、種を採っておいて翌年に蒔くこともある。

棚に蔓をスルスルと伸ばしたかぼちゃのひとりばえが実をつけはじめた。
形はバターナッツみたいだけど、色はロロン(かぼちゃの品種)みたい。味はどうかな。

交雑が珍しくないひとりばえにはこんな楽しみ方もある。

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
笹のいえ

今日のおかず

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

去年までこども達に不人気で日陰者だった茄子。
今年はどうも3人とも好きまでいかなくても嫌いじゃないみたい。
こどもの味覚って変わっていくから本当に面白い。

茄子をよく炒めてから水を差し、味噌をのせてふたをします。
コトコト煮て茄子がくったり柔らかくなって水分が飛んだら、白ごまをふって出来上がり。
甘めが好きな方はみりんを加えてもいいかも。
美味しい味噌と新鮮な茄子だったら、これだけでも美味しいごはんのおともに。

毎日のごはんは特別なものじゃなくて、シンプルだけど美味しいものを作りたい。

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
笹のいえ

日が昇るまえに

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

朝5時。

まだ太陽が昇る前に起きて、釜戸で湯を沸かし、珈琲を淹れるこの時間は、僕の好きなひととき。
静かといっても無音ではなく、自然に囲まれた笹の環境では、いろんな生き物たちの音が心地よいBGMのように流れる。

田んぼに水が入ってるときは、蛙たちの大合唱だったけど、中干しして水がなくなると、彼らはどこへいってしまったのか、
すっかり声が聞こえなくなった。

蛙に代わる最近のBGMは、ヒグラシ。
その名前から夕方に鳴くものだと思っていたけれど、早朝や曇天の日中、薄暗い林の中でも聞こえるのに気付いたときは、
ちょっとした発見だった。

お天道様が顔を出しはじめ、徐々に明るくなると、この時間はおしまい。
他のセミや鳥のさえずりが加わって、今日も賑やかな一日がはじまる。

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
笹のいえ

今日の保存食

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

6月に我が家で採れたソラマメで作った豆板醤。

本当は最低でも2カ月は寝かせたいところ、でも今年は麹多め、唐辛子少なめのマイルド仕様にしたので一カ月で様子を見がてら味見してみることに。

味見をしたらもうすっかり味が馴染んで美味しい!なので早速解禁しました。

調味料としてももちろん、ごはんのお供に、きゅうりにつけても美味しい。

こどもは食べれないけど大人用に食卓に常備しようかしら。
保存食だっていつもの料理と同じ、声かけて、様子見て、味見して、自分がいいと思ったら食べちゃう。

保存食で「今うちの〜がこんな状況なんです」って相談を受ける時がたまにあるんだけど、いつもわたしの答えは同じで、「食べてみて美味しかったら大丈夫」。

わたしは自分の味覚を信じていたい。

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
笹のいえ

釜戸

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

日々の調理には、釜戸を使っています。

僕らが引っ越してくる前から台所にあった釜戸ですが、ヒビが入っていたので、
周りを耐熱モルタルで固めて、再利用しています。

引っ越し当初は、調理に充分な薪が手に入るか分からなかったので、ガスを契約していました。
いざ暮らしはじめてみると、ご近所さんたちの口コミのお陰でたくさんの木が集まり、
一年経ってもガスの使用量ゼロだったので解約。
すぐにお湯を沸かしたいときなどは、カセットコンロを使います(稀ですが)。

確かに、薪を集めて、適当な長さに切って、乾燥させる、という手間はあります。

けれど、エネルギーの一部を自給するということは、僕たちに大きな安心と豊かさを与えています。

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
笹のいえ

今日のおかず

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

我が家の食卓にひき肉は登場しないので、
凍り豆腐とひよこ豆でドライカレーを作りました。
お豆腐は半額になったタイミングで買っていつも冷凍ストックしています。
解凍すると高野豆腐のような食感に。
凍り豆腐(凍らせ豆腐)は煮物に、カレーに、そぼろにと
色々変身して食卓を賑やかにしてくれます。

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
笹のいえ

卵焼き

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

笹のいえの食事の基本は、お米と野菜や穀物、海藻など。

市販のお肉や卵などの動物性食材や乳製品が、食卓に上ることはほとんどありません。

それでも、自然豊かな山暮らしをするようになって、知人友人から、ジビエと呼ばれる猪や鹿、川で捕れた魚、
自家製飼料や自然に近い飼育環境で育った鶏や卵などをもらうことがあります。
そんなときは、ありがたくいただいています。

この日は、質の良い卵が手に入ったので、夕食に出すことにしました。

卵が大好きな子どもたちは、我先にと釜戸の前で卵焼きを作りはじめます。

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
笹のいえ

雨上がりに願う。

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone

台風3号の去った午後遅く。

切ってきた竹に、作っておいた飾りや願い事を吊るした。

七夕まであと数日。足早に通り過ぎていく雲を見ながら、
「今年は天の川が見えるかしら」「そうしたら願い事が叶うかな」なんてぼんやり考える。

雨の匂いが残るしっとりした空気を吸い込んで、夏のはじまりを感じた一日。

Share on FacebookTweet about this on TwitterEmail this to someone
21 / 22« 先頭...10...1819202122