大阪府豊中市の豊中市社会福祉協議会から、「コロナに負けるな!」と胸にプリントしたポロシャツを作ってほしいとご注文をいただきました。
話は少し遡りますが、昨年2019年の夏、土佐町社会福祉協議会事務局長・山首尚子さんが「日本各地で社会福祉に関わるお仕事をされている方たち6人と、シルクスクリーン体験をしたい」ととさちょうものがたり編集部に声をかけてくれました。6人の方たちはどんぐりの石川寿光さん・川井希保さんとともに、自分のポロシャツを製作、その場ですぐに着て、とても喜んでくれました。その中にいらしたのが、今回注文をしてくださった豊中市社会福祉協議会の勝部麗子さんでした。
豊中市社会福祉協議会・勝部麗子さん
勝部麗子さんは豊中市社会福祉協議会の福祉推進室長。豊中市の子どもたちから高齢者、障がいを持った方たちや生活をすることそのものが大変な方たち…、さまざまな方たちの支援を地域ぐるみで行なおうと奮闘しています。
土佐町でお会いした時「家に引きこもっていた青年が自分で育てたメダカを販売することになった。その人の得意なこと、好きなことが自立のきっかけになれば」と熱心に話してくださいました。今ある仕組みに人を当てはめるのではなく、その人の得意なことや好きなことから新たな仕組みを考え、その人がその人らしく在り、やりがいや生きがいをもって生活できるようにしたい。私たち編集部はその考えに新たな気付きをいただきました。
コロナに負けるな!
それから1年後の2020年の6月、「豊中市でコロナ支援として、寄付金付きのポロシャツを作りたい。シルクスクリーンで印刷してほしい」と連絡をいただきました。
新型コロナウイルスの影響で生活困窮に陥ったひとり親世帯、大学生、定時制高校生、子ども食堂、生活困窮世帯を支援するため、ポロシャツにプラスアルファの金額を乗せて販売し、その差額を食材支援に当てたいということでした。
私たちが少しでも役に立てるのならと喜んで協力させていただきました。
豊中市へ届ける
印刷はもちろんどんぐりの石川寿光さんと川井希保さん。一枚ずつ、丁寧にプリントしたものを豊中市へ送りました。
勝部さんはメッセージと写真を送ってくれました。実際に着ている姿は、何だかグッとくるものがあります。豊中市の市長さんや豊中市の多くの人が購入してくださったとのこと。年配のご夫婦がお揃いで着ている写真も送ってくださいました。
自分たちが作ったものを遠く大阪・豊中で喜んでくれる人たちがいる。そのことは、どんぐりの寿光さんや希保さんにとって大きな励みになっています。シルクスクリーンを始めた時は、大阪・豊中市にまで繋がっていくとは考えてもみませんでしたが、いつでも現実は想像を超え、私たちに前を向く力をくれます。
お送りした紺色のポロシャツが完売したとのこと。新たな注文をいただき、ただいま製作中です。
世界中がコロナ禍で大変な時ですが、その場にいる人がその場でできることをする。距離は離れていても気持ちを交換しながら繋がり、新たな関係を作っていけるのだと感じています。どんなに小さくても、今この場所で自分たちにできることを重ねていけたらと思っています。