「干したから…」 森本卓士 フレーベル館
冷蔵庫のなかった時代、大量にとれた魚も肉も、野菜も果物も、食材はみんな干して保存食にしてきた。生活の知恵である。おまけに栄養価も上がるらしい。
世界の市場をのぞくとチーズもカエルもネズミも干してある。しぶ柿は干すと甘くなる。化学変化が起こるのである。
この本は日本絵本大賞に選ばれている。絵本とはいっても、図書の分類では科学の分野に入れられるのです。とはいえ、子ども向けの絵本なので、最後には「やってみよう!」のページがあり、食材の干し方を子どもが体験することをうながしている。そして、大人もえらい勉強になる絵本である。
藤田純子