「コンビニ人間」 村田沙耶香 文藝春秋
大学を卒業して何度か面接を受けるがしっくりこず、コンビニのバイトを続けている古倉恵子36歳。
子どもの頃から、自分の行動や考えが周りとうまくかみ合わず、変わっている子と云われてプライベートな会話もなく一人過ごした。
家族や努力して得た大学時代の友人の言葉に合わせようとしても、云うことなすことがかみ合わない。
コンビニのバイトで、はじめてこの場所が正常な自分の世界だと信じられ、毎日を安らかな眠りに誘い込んでくれる。
ひょんなことで知り合った男性は一緒に住んでいるというよりは飼っている状態。全くなにもしないもちろん職業もなし。それでも男性と住んでいるということでホッとする家族がいる。
迷惑をかけられどうしの男性の妹からの電話に、
「ほら、私達って動物だから増えたほうがいいんじゃないですか。交尾をどんどんして人類を繁栄させるのに協力した方がいいと思いますか?」
「勘弁してくださいよ・・・・あんたらみたいな遺伝子残さないでください。それが一番人類のためですんで」
私ならどう云うろう。もし家族にもったらどう対処するろう。答えは出ない。
川村房子