「絵本作家のアトリエ 1」 福音館書店母の友編集部 福音館書店
絵本作家の方々のアトリエを訪問してのインタビューはとても面白く、一気に読みました。
「しょうぼうじどうしゃじぷた」の絵を描いた山本忠敬さん、「ぐりとぐら」の山脇百合子さん、「スーホの白い馬」の赤羽末吉さん、「だるまちゃんとてんぐちゃん」の加古里子さん、「はるかぜとぷう」の小野かおるさん…。
子どもの頃から親しんで来た絵本をつくった方たちのアトリエにある色鉛筆はビンに差し込まれ、絵の具は木の箱の中に無造作に置かれ、机には消印の押されたハガキや手帳やノートが所狭しと積まれていて、飾らず素のままです。今さっきまでここで絵を描いていたことが伝わってきて「絵本作家」というどこか遠いところにいるような気がしていた方たちが身近に感じられるような気がしますし、それと同時に、この場所でコツコツと描き続けてきたことへの尊敬の念が湧いてきます。
描き続けるということには大変なご苦労もあることでしょう。一筆一筆にその方の生き方をも込められているように思います。
今まで親しんできた絵本がまた少し違った風に見えてきます。
鳥山百合子