
立割 | 西村澪
初冬の立割。
稲刈りが終わった後の田んぼでは、このような光景が広がっています。
以前、この三角帽子の名前を聞いて回ったことがあり、「いなぐろ」「のらぐろ」「わらぐろ」のような候補が出ていた記憶があります。
結局、「いなぐろ」が正解だったような。こうして乾燥したあとは、牛の餌になると聞きました。
本格的な冬の訪れを告げる景色です。
いなぐろをぎゅっとしてるのは、西村澪ちゃんです。
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図らずもTPP。あっちのTPPではありません。
土佐町在住の写真家、石川拓也がひと月に1枚のポストカードを作るプロジェクト。
2016年11月から始まり、たまに遅れたりもしながら、いちおう、今のところ、毎月1枚発表しています。
各ポストカードは土佐町役場の玄関と道の駅さめうらにて無料で配布しています。
2025年11月12日、香美市より、ワークセンター第二白ゆりの職員さんと利用者さんが編集部に来てくれました。
ワークセンター第二白ゆりは、2024年より事業所内にシルクスクリーン工房を作り、合同会社風(とさちょうものがたり編集部)と共にシルクスクリーン印刷事業を行なっています。
白ゆりさんは、この春より販売している香美市のポロシャツの印刷がどうやったらうまくできるのか、頭を悩ませていました。
香美市のポロシャツは、利用者さんがスケッチした香美市の大川上美良布神社の龍の像を背中のデザインとしています。
「龍のデザインサイズが大きく、印刷する時にインクがベタついてしまう。どうしたらよいか?」
そのお悩みを解決するべく、「土佐町の就労継続支援B型事業所どんぐりの石川寿光さんに相談したい!寿光さんの技術を見せてもらいたい!」という熱いご依頼があったのでした。

石川寿光さんは、土佐町の就労継続支援B型事業所どんぐりの利用者さん。週に1~2回編集部内の工房に来て、シルクスクリーン印刷を担当してくれています。もう8年ほど仕事をしてくださっている職人さんです。
デザインごとにインクの量や印刷回数を考え、効率よく、きれいに印刷するにはどうしたら良いか?工夫しながら、丁寧に取り組んでくださっています。
早速、白ゆりの利用者さんにインクの載せ方をアドバイス。版にインクをどのように載せたらきれいに印刷できるか、その量やインクを置く位置を伝えます。
寿光さんが、8年という間に、自ら身につけた知識です。

印刷する道具「スキージ」の持ち方、力の入れ具合、角度。実際に手を添えて、力加減や角度を体感してもらいました。

白ゆりの利用者さんから「どうしたら、寿光さんみたいになれますか?」という質問も。
「経験ですね。一回一回、どうしたらいいかなと考えてやっています」と寿光さん。職員さんからも印刷方法の質問を受け、丁寧に答えてくださいました。

白ゆりさんは、帰ってから早速、教えてもらったことや学んだことを思い出しながら印刷に取り組んだそうです。
「すごくうまくいくようになりました!」とのこと、とても嬉しいことでした。白ゆりの職員さんも利用者さんもとても熱心に向き合ってくださっていて、ありがたいなあという感謝の気持ちでいっぱいになります。
「事業所以外の人と関わること、自分が取り組んでいるシルクスクリーンを上手な人から学ぶことは、利用者さんにとって、社会との関わりを広げるということになる。とてもいい経験になりました」と白ゆりの職員さんが話してくれました。
シルクスクリーン印刷を真ん中に、市町村を越えてつながりや信頼関係がつくられています。
そのことが感慨深く、何よりうれしいです。